姜昌一氏は東京大学で修士号と博士号を取得した知日派だが、一部には過去の反日発言を懸念し、むしろ反日姿勢を強めるおそれがあるのではないかという見方もある。バイデン政権の東アジア政策に懐疑的な加瀬氏は、バイデン氏自身の対中姿勢にも疑問を呈する。
「バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は、アジア重視と言いながら、実際には中東問題にばかり関心を向けました。そのせいで中国への対応が甘かったのも事実です。
バイデン氏はこれまでに7回も中国を訪問している親中派です。米中で共同覇権を握ろうとしたオバマ政権と同様、中国に対して融和策を打ち出す可能性が高いでしょう。尖閣問題など中国と多くの課題を抱える日本にとって歓迎すべき政権ではありません。少なくとも対中強硬策をとったトランプ政権よりは中国に歩み寄ると思われます」
両氏の見方はまさに真っ二つに割れている。専門家にもそれくらい読みにくいバイデン政権のアジア外交を正しく読んで素早く対応できるかどうか、菅政権の外交手腕が問われるテーマとなりそうだ。