政治への失望がこの国を覆っている。国民は菅義偉・首相のコロナ感染対応に期待を裏切られ、新年を迎えても不安をかき立てられるばかりだ。そんな中、日本は総選挙の年を迎えた。衆議院は10月に任期満了を迎え、それまでに総選挙が行われる。4年ぶりに有権者の1票で政治を変えるチャンスが巡ってくるのだ。
本誌・週刊ポストは選挙情勢分析に定評のある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力を得て、小選挙区、比例代表を合わせた全選挙区の情勢を独自に分析し、当落予測を行なった。すると結果は、自民党は40議席減らして過半数ギリギリの242議席、公明党は1議席減、野党は立憲民主党が20議席以上増やして137議席、共産党も5議席増、日本維新の会は21議席に倍増となった。
ここでは、各選挙区のポイントを見ていこう。
「1区現象」が再び発生
与党が大敗する時には、各都道府県の1区で自民がドミノ的に野党に議席を奪われる現象が起きる。都市部の無党派層が自民批判に動くからだ。今回もその兆しがある。
「前回自民党は35府県の1区で勝利したが、このうち20選挙区で接戦になっており、すでに8選挙区では野党が逆転の情勢です」(野上氏)
スキャンダル議員は“討ち死に”
続発する政界不祥事に対する有権者の視線は一段と厳しい。
自民党系ではカジノ汚職の秋元司氏(東京15区)、選挙区内でカニやメロンを配っていた菅原一秀・元経産相(東京9区)は大苦戦。北海道2区では鶏卵汚職の事情聴取前に議員辞職した吉川貴盛・元農水相の後任を決める補欠選挙が4月に行なわれるが、自民党の議席維持は絶望的。総選挙でも連敗の可能性が高い。