「雄ちゃんが亡くなった前日が奥さんの誕生日でね……。『こういう時期ですから、自宅で家族だけの誕生日会を開きます』って話していたのが亡くなる4日前の12月23日のこと。そのときは、普段とまったく変わらない様子でした」
新型コロナウイルス感染症のため、2020年12月27日に亡くなった羽田雄一郎参議院議員(享年53)。同じ立憲民主党に所属し、選挙区も同じ長野県の下条みつ衆議院議員(65才)が、直近の様子を語る。
「12月23日は県連の会合に一緒に参加し、来年予定されている衆院選に関する質問にも、選対本部長としてハキハキと答えていましたよ。議論が白熱して30分延びても、しんどそうなこともなかった。『鼻声だった』と報じられましたが、そんなことはありませんでした」
その日、羽田さんは新幹線で東京へ戻っている。翌24日、知人の感染が発覚し、参議院議員診療所にPCR検査を受けたいと申し出たが、無症状のため断られた。仕方なくかかりつけ医で検査予約を入れたが、27日まで待つことに。その後、風邪のような症状が出始め、深夜には38.6℃の熱が出たという。25日は、予定していた長野県飯田市での会合を欠席。いったん平熱まで下がった熱は深夜に38℃台に戻り、翌日も微熱が続いた。26日は妻の誕生日で、前述のとおり、東京の自宅で家族そろってお祝いをした。
そして翌27日。実は、朝には36.1℃と平熱に下がっていたという。しかし、予約していたPCR検査を受けるために車で自宅を出たその車内で、容体が急変した。運転する秘書に「おれ、肺炎かな」と告げるやいなや意識を失い、救急搬送。病院に到着した頃には心肺停止の状態で、16時半に死亡が確認されたのだ。
発熱からたった3日。しかもまだ53才。新型コロナでの死亡率が上がる70代からはるかに遠い若さでの死は、永田町のみならず全国に衝撃を与えた。地元紙記者が言う。
「羽田氏は糖尿病や高血圧という基礎疾患を持っていました。体重は30代の頃から90kgはあり、その体格は父親の羽田孜元首相より一回り大きく貫禄がありました」
性格も体格そのままに、懐の深さがある人だった。