同じアジアの隣国同士、日本と韓国の国民生活を比較してみると、熾烈な学歴社会で知られる韓国は大学進学率が70.4%とアジアでも有数で、58.1%の日本を圧倒する。
「韓国では、一流大学に入って一流企業に就職した後も激烈な競争が続きます。競争に耐えられる実力をつけるために幼少時から勉強漬けとなり、日本の高校生が学ぶ内容を中学校で勉強します」(韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏)
そんな“教育大国”ながらノーベル賞受賞者は少ない。これまで日本が27人の受賞者を輩出したのに対し、韓国は2000年に平和賞を受賞した金大中氏のみ。
「幼少時からの受験勉強で知識は得られるが、思考力が育ちにくいと考えられています。柔軟な思考能力を持つ逸材が出てくることもあるが、そうした人はアメリカなど海外の大学に渡ってしまう」(平井氏)
日韓のライバル対決がもっとも盛り上がるスポーツでは、夏季五輪メダル獲得数、サッカーのFIFAランキングともに日本が韓国を上回る。
韓国が攻勢をかけるのは国策として取り組むエンタメビジネスだ。
「いまやK-POPは韓国の主要な輸出産業です。日本のアイドルグループは高度なダンスや歌唱能力を誇るK-POPの後塵を拝しています」(平井氏)
ともに長い歴史とプライドを持つ映画産業では、両国がしのぎを削る。
「韓国映画は、質こそ高いものの興行収入で苦戦していました。ところが昨年、『パラサイト』がアカデミー賞4冠に輝き、そのジンクスを打破した。日本のお家芸のアニメでは、国内で大ヒットした『鬼滅の刃』が海外でも人気を博しそうです」(平井氏)
※週刊ポスト2021年1月15・22日号