スポーツ

錦織圭、大坂なおみ… 五輪1年延期がアスリートを天国と地獄に分かつ

東京五輪の1年延期がアスリートにどう影響したか(時事通信フォト)

東京五輪の1年延期がアスリートにどう影響したか(時事通信フォト)

 東京五輪の1年延期で、多くのアスリートの運命が変わった。猶予期間を得たことでスランプから脱出した選手もいるが、引退を決意した選手もいる。女子バレーボールの新鍋理沙(30)や女子バスケットの大崎佑圭(30)らだ。

 そして、リオ五輪のバドミントン・女子ダブルス金メダリストである「タカマツ」ペアの高橋礼華(30)も。東京五輪の代表レースでは後輩ペアの後塵を拝すなかで延期が決定し、引退を決断。自粛が解けた直後、ペアを組む松友美佐紀(28)にコンビ解消を伝えた。

 3人はいずれも1990年生まれの30歳。東京五輪を節目と考えていた彼女たちにとって、1年の現役延長には相応の覚悟が必要だったのだろう。

 一方で、ベテランの域に達しながら現役続行に迷いがないのが卓球の石川佳純(27)や女子ソフトボールの上野由岐子(38)だ。とりわけ上野は、2024年のパリ五輪で再び五輪競技から外れるソフトボールで、有終の美を飾るという一心で現役を続ける(東京五輪は追加種目として実施)。

 五輪の延期後にアクシデントに見舞われたのは、テニスの錦織圭(30)。8月にコロナに感染し、直後の全米オープンも欠場せざるを得なかった。対照的に2度目の全米制覇を遂げた大坂なおみ(23)は、世界ランク3位に浮上し、全米、全豪に続く3つ目のビッグタイトルも視野に入る。

 ちょうど1年前、海外のトーナメントに出場後、帰国の途に就くなかで自動車事故に遭ったのがバドミントンの桃田賢斗(26)だった。命に別状はなかったが、帰国後、シャトルが二重に見えることから再検査すると、眼窩底骨折が判明した。

 世界ランク1位だった桃田といえども、五輪の延期は眼と心のケアのためにも必要な時間だったかもしれない。復帰戦となった12月の全日本総合選手権で初戦に勝利したあと、桃田はこう語った。

「感覚のズレは、正直、ありました。リハビリでパフォーマンスが下がっていたので、(その状態から)こつこつと、できることがひとつひとつ増えていくのを実感しながら、パフォーマンスを戻すことができていると思う」

関連記事

トピックス

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンを食べようとしたらウジ虫が…》「来来亭」の異物混入騒動、専門家は“ニクバエ”と推察「チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすい」
NEWSポストセブン
「ONK座談会」2002年開催時(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 長嶋一茂のヤクルト入りにカネやんが切り込む「なんで巨人は指名しなかったのよ。王、理由をいえ!」
週刊ポスト
タイ警察の取り調べを受ける日本人詐欺グループの男ら。2019年4月。この頃は日本への特殊詐欺海外拠点に関する報道は多かった(時事通信フォト)
海外の詐欺拠点で性的労働を強いられる日本人女性が多数存在か 詐欺グループの幹部逮捕で裏切りや報復などのトラブル続発し情報流出も
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン