歯に衣着せぬ発言でバラエティー番組でも活躍するヴァイオリニストの高嶋ちさ子(52才)。その戦闘的な姿勢は子供の頃からで、自分が怒りを覚えれば上級生でも男子でも飛んで行って取っ組み合いのけんかをする。教師を“先公”と呼んで、親が学校に呼び出されたこともあったという。
そんな戦闘的に育った陰にあったのは、6才離れた姉「みっちゃん」の存在だ。
「私がこの世に誕生することができたのは姉・みっちゃんのお陰なのです」(ちさ子・以下同)
ちさ子が深く思いを寄せる姉はダウン症で、現在はいたって健康だが、生まれたときは、医師から「20才まで生きられません」と宣告された。当時の様子を、ちさ子は著書『ダーリンの進化論』(小学館)の中でこう綴っている。
《母はあまりのショックで泣き暮らしていましたが、その後3年間考えて、「このままではいけない。この子を守ってくれるきょうだいをつくろう」
と思い立ち、兄と私を産む決心をしたそうです。
そんなわけで私たちは母から、「みっちゃんに感謝しなさい」と、ことあるごとに言われて育ちました。
「だいたい、あなたたちが生まれてきたのも、お姉ちゃんがダウン症だからよ。親が死んだ後に面倒みる人がいないから産んだの」》
普通、こんなことを言われて育てられた子は、大いに傷つき、人格形成に影を落としかねない。