日曜朝のジャーナリズム・バラエティ『サンデー・ジャポン』(TBS系)で2018年からアシスタントを務める山本里菜アナウンサーは、4年目を目前にした今も本番では毎週、緊張の連続だと語る。
「話題の転換がアシスタントの大事な役目ですが、スタジオトークが白熱したり、脱線して思わぬところで盛り上がったりして、生放送中に進行が“押してしまう”こともしばしば。あの賑やかさや舌戦が『サンジャポ』ではありますが(笑い)、進行がずれるとスタッフが頑張って用意したコーナーがお蔵入りになってしまうことも……。『次へまいります』のタイミングを誤ってしまうと致命的なんです」
場を読み、流れを変えることができずに最初は落ち込むばかりだった。それでも青木裕子や田中みな実など歴代アシスタントの映像に学び、通常はスタッフだけで行なう反省会に参加して現場の声を知ることで話に入るタイミングが徐々にわかってきたという。転機が訪れたのは2019年春。
「後輩がリポーターとして番組に仲間入りしたんです。その前までアナウンサーは自分だけだったので『私ももっと頑張らなくては!』と変に意識してしまい、焦って生放送中に心のモヤモヤが表情に出てしまいまして(苦笑)。常に笑顔で感情に左右されてはいけないと考えていたのに、スタッフも爆笑問題のおふたりも『やっと素が見えたね。それが山本なんだから、そのままでいいんだよ』と言ってくださった。場によって時には人間性を出してもいいと思えたことは大きな進歩でした」
そこで「自分で背負い込んでいた重石がポトッと落ちた」と明かし、より積極的に進行もできるようになったと話す。その言葉通り、この日もはきはきと仕切り、スタジオトークやVTRには表情豊かに素直な反応を見せた。
「白熱したトークや『サンジャポ』独自のニュースの切り口を楽しみながら、『今だ!』『山本遅いぞ』と私の進行にツッコミを入れて皆さんもぜひ番組に参加してください」
【プロフィール】
山本里菜(やまもと・りな)/1994年6月22日生まれ、千葉県出身。青山学院大学卒業。2017年にアナウンサーとしてTBS入社。2018年1月より『サンデー・ジャポン』7代目アシスタントを務める。担当番組は『はやドキ!』(水曜)、『アメージパング!』(不定期)、ラジオ『土曜朝6時木梨の会。』など。
取材・文/渡部美也 撮影/藤本和典
※週刊ポスト2021年1月15・22日号