国内

通販普及での食品販売 「食品表示」の義務なく、危険性指摘も

あなたの食卓に、知らず知らずのうちに食品添加物の魔の手が…(写真/Getty Images)

あなたの食卓に、知らず知らずのうちに食品添加物の魔の手が…(写真/Getty Images)

 新型コロナウイルスの蔓延で余儀なくされているステイホーム生活によって、食卓に並ぶ食品の入手経路は大きく変わった。

 外出せずに気軽においしいものが食べられる出前やデリバリー、通販などのハードルが下がり、利用の機会は急増している。

 一見、ウイルスから隔離された状態でおいしいものが手に入るうえ、時間短縮にもなるコロナ禍における数少ない好例に思えるが、消費者問題研究所代表の垣田達哉さんはこの状況に警鐘を鳴らす。

「スーパーや青果店などで直接商品を目で見て、手に取って吟味する機会が大幅に失われたことで、食品添加物の入った食べ物が食卓に上りやすい状況になっている。コロナ禍こそ、食の安全に気をつけてほしい」

 私たちの体を蝕む食品添加物は、一体どんな経路でやってきて、そして私たちの体にどんな害をもたらすのだろうか。

 垣田さんが懸念するのは、最近特に増えた通販で買い求められる食品についてだ。

 危険な添加物を食卓から取り除くためには、販売時に義務付けられている「食品表示」をチェックすることが最短の“道しるべ”となる。しかし通販における食品販売は、その表示義務がない。

「ネット通販では、そこで販売されている加工食品そのものに表示がされていても、購入時に販売サイトでその確認を促す義務はなく、どんな材料が入っているかわからないまま購入するシステムになっているサイトも少なくない。つまり、評判のお取り寄せスイーツを注文したとき、自宅に届いてから菓子箱の裏を見て“摂りたくない添加物”が含まれていることに気づく場合もあるのです」(垣田さん)

 もちろん、食品添加物がすべて悪者というわけではない。食べ物の形状を整えたり、色や味の向上、日持ちをよくするためなどに使用される物質を総じて食品添加物と呼び、国から認められたものは1500以上。

合成添加物と天然添加物があり、いずれも安全性が確認されたもの──ということにはなっている。

 とはいえ「安全だ」と認められた添加物が、後からひっくり返されたことがないわけではない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが衝撃的な指摘をする。

「2004年、天然着色料として認められ、ハムやソーセージ、清涼飲料水などに使用されていた『アカネ色素』が使用禁止になった例があります。セイヨウアカネの根から抽出した天然着色料ですが、発がん性があることが判明したのです。食品添加物の安全性は動物実験によって確かめられており、食べ続けた場合の人間への影響はあくまで未知数なのです」

 さらに郡司さんは続ける。

「海外では危険性がはっきりわかり、すでに使われていない添加物が、日本では当たり前のように使われていることが多々あります。世界のうち日本だけで許されている危ない添加物だってあるのです」

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン