国内

日本初の女性国会議員 “政治の素人”はマッカーサーにも直談判

ああ

日本初の女性国会議員として活躍した佐藤きよ子さ。2008年、89才のとき(写真/『生きた愛した闘った 日本初の女性国会議員 きよ子95歳の人生奮闘記』より)

 世界経済フォーラムが発表した2020年の「ジェンダー・ギャップ指数(男女平等指数)」において、全調査対象国153か国の中で日本は121位と、先進国の中では最低ランクだった。

 いまもなお男性優位の社会ではあるが、いま以上に女性の地位が低かった戦後すぐの日本にあって、国会に乗り込んだ女性がいる。2018年10月、99才で亡くなった佐藤きよ子さん(旧姓・三木)だ。

 太平洋戦争後、初めての総選挙が行われたのが、1946(昭和21)年4月10日。第22回衆議院議員総選挙は、男女普通選挙制度を採用して初の選挙だった。当時のきよ子さんは26才。大阪・あいりん地区(釜ヶ崎)でアパート経営に勤しむ“普通の女性”だった。

《私、男女同権というのは女も経済的に自立して、自分の力で独立して食べていける。これが本当の同権と今も考えています。ですから婦人参政権が認められた時、喫茶店やアパートを経営してきた自分こそ「男女同権を外に向けて叫ぶ資格を持っている」と思いました》(1994年8月21日、毎日新聞・以下同)

 理由はもう1つあった。

《東京の女性立候補者が何人か新聞に出て、関西で出そうな人がいなかったことですよ。大阪、関西でだれか名乗りをあげないと、関西の女性はなんて意気地がないのかと言われてしまう。だから「よし、私が出て関西の、大阪のそういう婦人層の目を覚まさせてやる」と》

 きよ子さんが立候補したのは、大阪府第1区(大阪市)。定員7名に対して立候補者はなんと81名と、全国第2位の激戦区だった。そのうち女性は、きよ子さんを入れてわずか5名だ。

 もちろん、きよ子さんに地盤はない。看板もない。財力もない。のちに、《我ながら驚く程の決断力と大胆な行動力である》と、自伝『生きた愛した闘った 日本初の女性国会議員 きよ子95歳の人生奮闘記』(宝塚出版・以下同)の中で振り返っているが、政治にまったくの素人の女性が、「男女同権」を叫ぶという思いのもとに、たったひとりで国政に打って出たのである。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン