日本相撲協会は「相撲部屋クラスター」が続出するなか初場所の開催を強行。しかし、モンゴル2横綱は3場所連続で初日から休場となった。コロナ感染が判明した白鵬と、横審の「注意」決議を無視するように出場を放棄した鶴竜だ。ふたりの「引退」を巡る協会との醜悪バトルは、いよいよ正念場を迎えている。
すでに日本国籍を獲得している白鵬は、横綱経験者として5年間は現役時代の四股名で協会に残れるが、それ以降は「年寄株」の襲名が必要だ。
「白鵬は引退後に独立して部屋を構えるために内弟子として炎鵬や石浦をスカウトしてきた。本人は功績著しい横綱にだけ認められる一代年寄の襲名が悲願だが、協会側は認めるつもりはない。そうなると数に限りがある年寄株を入手しなくてはいけないが、その目途が立っていない」(ベテラン記者)
一門をまたいでの年寄株の譲渡が難しいなか、白鵬の伊勢ヶ濱一門は弱小で株の数が少ない。一門内では再雇用の大島親方(元関脇・魁輝)が来年6月に70歳を迎えて退職となり、白鵬がその株を継ぐという情報もあったが、「大島親方は愛弟子の魁聖(前頭16、2014年に日本国籍を取得)に譲渡する意向があるとされ、白鵬には回ってこない」(後援会関係者)という。
日本人大関3人が“全滅”
協会が公益法人に移行したことに伴い、年寄名跡は相撲協会が管理するかたちを取っている。
「新設された年寄資格審査委員会で過半数の承認を得て、理事会で最終承認を得なければいけない。裏でカネを積みさえすれば、年寄株が手に入るという時代ではない。株を手に入れられず5年が過ぎれば、横綱経験者でも協会を去らなくてはいけない。白鵬には、コロナをきっかけにした引退、その先に廃業の危機さえ控えている状況だ」(前出・ベテラン記者)