国立長寿医療研究センターの発表によれば、コロナ禍で高齢者の運動量は約3割も減少した。それにより、要介護高齢者の増加が懸念されるという。
上皇ご夫妻もご活動が減っておられる。そもそも美智子さまは2019年6月に白内障の手術を受けられ、同年9月には乳がんの手術も受けられるなど、ここ数年、体のそこここの不調に悩まされてきた。ただでさえ苦しい状況にあるお体が、コロナ禍によってますます悲鳴を上げていることが懸念される。
「美智子さまは2005年に頸椎症性神経根症を患われました。強い痛み以外に手の麻痺を伴うこともあるので、体を動かしにくくなり、握力が落ちるということもあったはずです」(井尻さん・以下同)
さらに怖いのが、前述した「手指」の症状だ。
「女性は男性に比べて関節が弱く、変形しやすい。にもかかわらず、細かな家事をすることが多く、年を経るごとに影響が出やすいと考えられます。なかでも手指の第一関節は変形しやすい。高齢になればなるほど、指の変形も増えるので、高齢女性は関節変形と工夫して長くつきあう必要があります」
そうした体の不調に、ストレスフルな自粛生活が拍車をかける。
「人と会わない日々が続くことで、ストレスを抱える人が増えています。すると、精神が落ち込み、衰えを加速させる。さらに、精神の落ち込みは体にも悪影響を及ぼし、抱えていた体中の痛みが増すことにもつながります」
美智子さまは、御代がわりまで多忙な生活を送られ、皇后として想像を絶するプレッシャーと闘われていた。だが同時に、日々の公務に取り組まれる責任感が生活に張り合いを生み、美智子さまの健康を支えていた側面もあっただろう。人と会わない生活が続き、日常生活もままならないいま、抱えていたあらゆる痛みが加速し、美智子さまを追い詰めているのかもしれない。
※女性セブン2021年2月4日号