誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。競馬を題材とした作品も手掛け、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する作家・須藤靖貴氏が、陣営(馬主さん、厩舎、生産牧場)と騎手を仲介するエージェント(騎乗依頼仲介者)の多くが、予想紙に印を打つ現役のトラックマンであることに注目。競馬新聞に打たれた印について深堀りする。
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エージェントの多くは予想紙に印を打つ現役のトラックマン。仲介馬について、どのトラックマンよりも濃密な情報を持っているはず。だから「仲介馬出走時の、印と結果」は必見である。データを取って一人うなずいていたのだが、馬券に結びつけなければ意味がない。そこで自分なりに導いた法則を拠りどころにして勝負に出たのである。
専門誌「優馬」の櫻井眞人氏グループ(松山、和田竜、松若の3騎手)。同場に3人が集うときのデータが顕著なのだった。
同じレースへの重複が目立つ。特に3人揃ったとき、櫻井氏の印は堅実とデータがささやく。印には特徴がある。3騎手全員に印が付くことはなく、ほぼ1人に絞られる。仲介3馬の中で一番の優馬ってことだ(仲介ではない騎乗もあるらしいけど)。それ以外は無印も多く、義理っぽく△を付けないところがいい。そして、無印馬の着順が上回るような序列の逆転はほぼない。
「松・竜・松」、そうは揃わんだろうと思っていたら、ある日曜日の阪神で実に8回(!)。9頭立ての新馬戦でも勢揃い。どれだけ仲がいいんだというくらいである。
ちなみに前日土曜の阪神では松山騎手のみ騎乗。11回出走して印は8つ。▲2、△5、注1だった。馬券に絡んだのは▲の2着のみ。
さて、勝負の日曜競馬だ。3人揃った8回中6回、印を1騎手に絞っている(2騎手への印は2回)。
エース松山には8回全部に印がある。和田竜と松若は1回ずつ。松山の騎乗馬は◎2つ、▲1つ、△4つ、注が1つ。前日なかった◎が頼もしい。
その2つの◎は2着(ともに1番人気)。△では1着(1人)が1回。序列の逆転は3回あったものの、いずれも馬券には絡まなかった。