新型コロナウイルスの流行の陰で、いま、多くの人を悩ませている病気がある。80才になるまでに、3人に1人が発症するという帯状疱疹だ。突然の発疹を「もしかして吹き出物かな」なんて放っておくと、10年以上、後遺症に苦しむことになるかもしれない。
《私もうそんな年なの? という感じ。病院で採血したらいろんなことが出てきて。帯状疱疹っていって、怪談のお岩さんっているでしょう。あれも帯状疱疹でお岩さんと呼ばれるようになっちゃった。この半年くらい弱っています》(『ENCOUNT』12月1日配信記事より)
3月に上演される朗読劇の記者会見でこう告白したのは、女優の浅丘ルリ子(80才)だ。昨年6月頃に帯状疱疹を発症し、いまは症状をコントロールしながら舞台の稽古に励んでいるという。
「個人差がありますが、帯状疱疹ではヒリヒリとした痛みやかゆみが2~3日続いた後に、小さな水疱を伴う発疹が現れます。頭や顔から下肢までの左右どちらか片側に、帯状に出るのが特徴です」(亀谷診療所院長の亀谷学さん)
高齢になると罹患率が上昇し、80才までに3人に1人が発症するといわれている。ところが最近では、もう少し若い世代でも帯状疱疹に悩まされる人が急増しているのだ。静岡県在住の主婦、山崎綾子さん(仮名・52才)はこう話す。
「最初はブラジャーのワイヤーが当たる左脇腹あたりに赤い発疹ができました。もともとアレルギー体質なので、『ブラジャーでかぶれたのかな』程度に考えていました。そうしたら、2~3日で発疹が背中にまで広がって。それも左側だけ。皮膚科を受診したら、帯状疱疹の初期でした」