体当たり企画などを得意とする『女性セブン』のアラ還ライター“オバ記者”こと野原広子が、世の中で話題になっているトピックにゆる~く意見を投げかける。今回は、コロナ禍で自分のなかに生じた“猜疑心”についてのお話です。
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新型コロナの最も怖いところは、知らぬ間に感染して、死に至ることに尽きると思う。その次に怖いのが経済的な打撃で、収入の道を断たれて、生きることをあきらめる人が続出すること。さあ、どうする。今日はいいとしても、明日は? 来月は?
もうやんなっちゃう。来る日も来る日も、テレビをつければこんな話ばっかりだもん。それを、高収入を得ているに違いないワイドショーの司会者やコメンテーターから深刻そうな顔して言われてもなぁ。
まあね。テレビ画面の向こうにいる人たちは、元からの素養に加えて、努力に努力を重ねてそこにいる。そして稼いでいる。「なんか、文句ある?」と聞かれれば「はい、すみません」と謝るしかないんだけどね。
そんな気持ちの行ったり来たりにくたびれた私は、しばらく前からワイドショーを見なくなった。コロナの重大事はニュースで知ればいい。それ以上の解説は、ネットで拾い読みするからいいよ、と。まあ、テレビは消せばただの黒いパネルだもの。文句があるなら見るな、っていうことなんだよね。
だけど、見なきゃ済むことばかりじゃない。2度目の緊急事態宣言で、「不要不急の外出をしないように」との発出以来、ほとんど引きこもりの私。どうしても出かけないとならない仕事や、食材や生活用品の確保のための必要最低限の外出しかしないで、ひたすら家にいる。
それができるなら、何も心配ないだろうと言われそうだけど、先日、朝起きたら、体がだるくて起き上がれないの。あわてて体温をはかると平熱。食欲はある。咳は出ない。食べ物の味はする。でも起きられない日が2日続いた。
実は私、更年期を過ぎた頃から、低気圧が近づいてくると体がドスンと重たく感じて、朝、起きられないようになったの。低気圧が高気圧に変わると、ケロッと何事もなかったように元気になる。これ、気象病というんだってね。
そういえば子供の頃、おばあちゃん子だった私は、年寄りが天気の話ばっかりしているのが不思議だった。その理由が還暦を過ぎたら、よくわかる。体調を支配するのは天気。気の持ちようも、天気次第なのよ。
しかし、そこに“新型コロナ”が割り込んできて以来、余計なことを考えるようになった。
誰とも会っていないと言ったけれど、実は半日だけ、友達M子(63才)と会って、公園を散歩したのよね。誰かと会って話がしたかったの。