1日当たり5万人前後の新型コロナウイルス感染者が記録され、死者も1000人を超える日が少なくないイギリスから恐ろしい研究結果が発表された──。感染者数も死者数も、日本とは大きく異なるが、その数字は私たちの気をより一層引き締めることにつながりそうだ。たとえ最初の病状を克服できたとしても、その後に長く、多くの闘いが待っている可能性があるということをもう一度再認識したい。
緊急搬送から1週間。爆笑問題の田中裕二(56才)に笑顔が戻りつつある。
「現在、体調的にはまったく問題ないようですが、退院後しばらく療養に入るので、田中さんの代役を探すことに各番組のスタッフは必死のようですね」(テレビ局関係者)
田中は1月19日に仕事から帰宅後、翌深夜2時頃に頭痛を訴えた。妻の山口もえ(43才)がすぐに119番通報。救急車で搬送され、「前大脳動脈解離によるくも膜下出血」「脳梗塞」と診断された。
入院中の田中の症状について、所属事務所「タイタン」の太田光代社長(56才)は「元気すぎるくらい」と説明し、相方の太田光(55才)も「全然大丈夫」とテレビ番組で明かしたが、ニュースが流れるやいなや、SNS上では新型コロナとの関連を疑う投稿が相次いだ。
《新型コロナ陽性だったが、軽症ですぐに治った患者がその後、脳溢血で倒れたケースがありました。田中裕二さんの症状と非常に似ていて驚いています》(医師のTwitter)
《友人の父親が新型コロナにかかり、退院後に脳梗塞で再入院。(中略)田中さんのケースに似ている》(30代女性のTwitter)
田中は昨年8月末、妻の山口に続いて新型コロナへの感染が判明。2週間の入院を余儀なくされ、頭痛と38℃前後の熱に悩まされたという。それから4か月後のくも膜下出血と脳梗塞の発症は、完治したはずの新型コロナによるものなのか。高知大学医学部教授の横山彰仁さんはこう話す。
「関係があると断定はできませんが、新型コロナが血管の内皮細胞に感染することは間違いないので、否定もできません」
3か月経っても心筋の炎症が続く
新型コロナが国内で確認されて約1年、さまざまな「後遺症」が報告されてきた。実際に田中も退院してからしばらくの間は味覚・嗅覚障害に悩まされていたという。多くの新型コロナの後遺症の患者を診察してきた新中野耳鼻咽喉科クリニックの院長・陣内賢さんが語る。
「うちの病院の統計データでは、過去に陽性と診断されたことのある52人のうち28人が嗅覚障害を訴えています。微熱、倦怠感、筋肉痛や呼吸の苦しさを感じる人も多いです」