1月29日公開の映画『花束みたいな恋をした』で、初のダブル主演を務める俳優の菅田将暉(27)と有村架純(27)。人気と実力を兼ね備えた令和の銀幕スターたちは、新作映画でどのような魅力を発揮しているのだろうか。主演の二人について、同作を手掛けたプロデューサーと映画評論家、それぞれに話を聞いた。
『花束みたいな恋をした』は、菅田将暉演じる山音麦(やまね・むぎ)と有村架純演じる八谷絹(はちや・きぬ)の甘く切ない恋愛模様を描いた青春ラブストーリー。偶然の出会いから恋に落ちた二人が、大学卒業後に同棲をスタートさせて徐々にすれ違っていく5年間を切り取った、リアリティ溢れる20代男女の物語だ。
脚本を手がけたのは1991年に放送されたトレンディドラマの名作『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)でも知られる坂元裕二。監督は『いま、会いにゆきます』(2004年)や『映画 ビリギャル』(2015年)といった話題作を世に送り出してきた土井裕泰が務め、弦楽四重奏を題材にした2017年のビターなラブサスペンス『カルテット』(TBS系)以来のタッグを組む。
脇役でオダギリジョーや戸田恵子、岩松了といった名優が出演することに加えて、アニメ監督の押井守も本人役で登場。さらに2013年に社会現象を巻き起こしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でも知られる音楽家・大友良英が劇伴(伴奏音楽)を担当するなど、見どころが多々ある映画に仕上がっている。
だがやはりメインは菅田将暉と有村架純の二人だ。映画評論家の小野寺系氏は、本作が「二人の俳優の転換点を象徴する作品になりそう」と語る。
「菅田将暉と有村架純、同年同月に生まれた二人で、どちらも演技が評価される実力派であることと、男女ともに人気が高いことなど、非常に共通点が多い存在です。『花束みたいな恋をした』では、そんな二人が初めてW主演を務めるということが大きな話題となっています。
若手俳優のなかでトップといえる存在だった二人も、アラサーに突入しました。『花束みたいな恋をした』は、二人がそれぞれに、若い時代から社会の現実にさらされて変化を余儀なくされる年代までを演じています。その意味で、さらなる変化が期待される二人の俳優の転換点を象徴する作品になりそうです」(小野寺氏)