コロナを「とても怖がる人」と「全く怖がらない人」の対立は、深刻である。さらに多くの中間派からすると、そのどちらもが“ちょっと付き合いに困る”というのが本音だろう。
「一定の対策をしていれば過度に恐れるべきではない」という人からすると、「とても怖がる人」への接し方には悩みを抱くことだろう。
経済評論家の荻原博子氏は、感染症対策の研究やワクチン開発が進んでいることから、過度に怖がる必要はなく悲観的にならないように、とメディアでたびたび言及してきた。ただし実生活では、「怖がる人」への配慮を心掛けているという。
「マスクをして、人混みを避け、リモートで仕事をしていれば感染リスクは低いと考えています。ただ、怖がる人もいるので、取材や打ち合わせなどでは相手が望めば対面にしますが、『電話やリモートでも大丈夫ですよ』と選択肢を提示します。
対面のときは、密にならず、換気をして、短時間で、大声を出さないように万全の注意を払います。市中感染が広まっていて、誰が罹患してもおかしくない今、誰にも落ち度はないので、あえてギスギスした空気を作るべきではないと思っています」
元参院議員で弁護士の丸山和也氏は、自身のSNSで友人とマラソンに興じる様子を発信し、緊急事態宣言下でありながら寒中水泳のイベントも開催したという。
かなり大胆にも見えるが、怖がる人への対応は慎重だ。
「感染症対策は講じていますが、自粛すべきではないという考えです。事務所の会議室でクライアントとの打ち合わせをしますが、私は怖くないけど、相手は怖がる人かもしれない。だから、換気をして席も1m以上離して、マスクをしなくてもいい状態にしたうえで、『マスクは自由にしてください』と一言断わり、相手の自由に任せています。
ただ、マスクをして相談にくる人でも、離婚の相談などで興奮してくると、声が大きくなってマスクをはずしてしゃべりだしたりする。飛沫感染のリスクは知っているので、そういうときは消毒スプレーをシュッシュッとやってテーブルを拭いて、それとなく気が付いてもらうようにしている」