例年2月初旬は、皇室にとって「静養」の時期。いつもなら上皇・上皇后は神奈川県の葉山御用邸に出かけることが多いが、今年は普段の住まいである仙洞仮御所(東京・港区)で過ごすことになる。宮内庁関係者が気を揉むのは、2人の体調問題だ。
「緊急事態宣言のさなか、ご高齢の上皇・上皇后両陛下を感染リスクに晒すわけにはいきません。そのため両陛下は御所で穏やかに過ごされています。上皇陛下が意識を失って倒れられたのはちょうど1年前のこの時期(2020年1月29日)のことでした。上皇后陛下も、昨年秋ごろに微熱の症状が続いていると発表されたこともあり、周囲は気を遣っています」(宮内庁関係者)
そんな中、宮内庁内で「どうすべきか」と案じられているのが「皇族方の新型コロナワクチン接種」だ。
「菅首相は“2月下旬にワクチン接種開始を目指す”と話していましたが、供給の遅れも指摘されており、国民に行き渡るのはまだ先になると思われます。
65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人が優先的に接種を受ける方針と聞いているが、両陛下はまさにこの条件に当てはまる。宮内庁内では“優先的に受けていただくべきではないか”という意見が出ているのです」(同前)
国民より先に避難はできない
しかし、別の宮内庁関係者からは「周囲が勧めても、両陛下は接種を望まれないのではないか」との話が聞こえてくる。
「2009年に新型インフルエンザが流行したときのことです。周囲からは“早いうちにワクチンを接種していただきたい”との声が上がったが、両陛下は“国民と同じタイミングで”とのご意向を示されました。
結果的に、前立腺がんの治療中だった上皇陛下(当時は天皇)は重症化リスクの高い優先接種対象者だったため2009年11月に接種を受けられたが、当時75歳の美智子さまは健康成人(19~64歳)が接種開始となった2010年1月まで接種を待たれた。
“自分たちよりも国民を優先してほしい”というお気持ちだったのでしょう」(同前)