新型コロナの長引く巣ごもり需要も相まって人気の家庭用ゲーム機。特に『あつまれ どうぶつの森(あつ森)』や『桃太郎電鉄』などのバカ売れソフトを抱える任天堂の「Nintendo Switch(以下スイッチ)」は“独り勝ち”の状態だ。いったい、この勢いはいつまで続くのか──。エース経済研究所シニアアナリストの安田秀樹氏がレポートする。
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「ニンテンドー スイッチ」の販売が絶好調である。ゲーム雑誌『ファミ通』の調べによると、昨年の年末年始商戦期(ソニーの新型プレイステーション「PS5」が発売された2020年11月第2週~2021年1月第1週)の実売台数は、172万台と前年の同時期を9%上回った。
スイッチは、発売された2017年の翌年からメディアなどで早くもピークアウトが叫ばれてきたが、2019年年末の販売が世界的に好調だったこともあり、2020年こそピークアウトするとの見方も、まったくの杞憂に終わった。
4年目としては異例の品薄が2020年2月から10月頃まで続き、多くのメディアでは、「新型コロナで巣ごもり消費が高まったことで、スイッチ、PS4が人気化した」としていた。
プレステ凋落で際立つスイッチの存在感
特にスイッチの国内における存在感は圧倒的である。毎週ファミ通が発表している販売ランキングでも上位のほとんどがスイッチのゲームタイトルで、任天堂は事実上プレイステーションを駆逐した状態になっている。残念なことだが、以前に筆者も指摘した「国内におけるプレステブランドの凋落」は周知のものになってしまった。
スイッチの累計販売(着荷)台数は国内ですでに1888万台となっており、世界販売(同)台数の約4分の1弱も占めている。GDP比で考えても高いシェアと言え、日本市場は大きな市場である。
最終的なスイッチの販売台数は2500万台以上になると予測しているが、この大きな市場をほぼ独占しつつある。20年前のPS2の頃は、ゲーム機といえばプレイステーションであったことを考えると、隔世の感がある。