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『教場』異例の大抜擢で話題の味方良介は演劇界を担う実力派

舞台俳優・味方良介が注目を浴びている(写真/オフィシャルブログ『遏雲の曲』より)

舞台俳優・味方良介に注目が集まっている(写真/オフィシャルブログ『遏雲の曲』より)

 新年早々放送され話題を呼んだ木村拓哉(48才)主演のドラマ『教場Ⅱ』(フジテレビ系)。白髪に義眼で鬼教官という、これまでの木村のイメージを大きく覆す役どころに前作同様注目が集まったが、SNSや口コミでは「都築耀太役を演じた味方良介って誰?」「都築の迫真の演技に一番感動した」など、ほぼ無名の若手俳優に絶賛の声が多く寄せられた。味方良介(28才)の最新作『熱海殺人事件 ラストレジェンド ~旋律のダブルスタンバイ~』を観劇した、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが、彼の魅力について解説する。

 * * *
 昨年、大きな反響を呼んだ『教場』で注目を集め、その続編『教場Ⅱ』にも出演した味方良介。味方といえば、2011年のデビュー以来ずっと舞台俳優として活躍し、“2.5次元舞台”などを主軸に技を磨いてきた生粋の演技者だ。演劇ファンの間では若手の実力派として知られているものの、これまでテレビや映画には出演していないため、一般的にはほとんど無名と言える。その彼が映像デビュー作として出演したのが『教場』だった。

『教場』は、警察学校を舞台とした異色のドラマ。主人公の鬼教官役に木村拓哉を迎え、生徒役には工藤阿須加(29才)や川口春奈(25才)、林遣都(30才)、三浦翔平(32才)、葵わかな(22才)、大島優子(32才)など、ドラマや映画をメインにキャリアを重ねてきた人気の若手が集った。ここに映像作品初体験の味方が並んだのは異例中の異例。物語は表向きは木村演じる教官が主人公だが、生徒個々のエピソードにフォーカスしていくもので、 “生徒の一人ひとりが主人公”という側面もある。その一人に味方が抜擢されたのだ。

 味方が扮したのは、何かと教官に反発する都築という若者。発声の鋭さや、早口なセリフ回しにも対応しきる滑舌の美しさは、演技経験が無い人にも伝わっただろう。都築にフォーカスしたシーンでは教官とのぶつかり合いも話題になった。鬼教官を前に、都築のクールでミステリアスな表の顔が崩れ、涙を流しながら心情を吐露するシーンは、同作の中でも屈指の名シーンとなった。俳優を評する時に、「映像向き」「舞台向き」という言葉があるが、味方は舞台に軸足を置きつつも、映像のフィールドでも闘っていけることを証明したのだ。

 結果、「この俳優は誰?」という声がSNS上では多く上がった。内容はどれも肯定的なもので、多くの視聴者が味方の存在に驚かされた。やはり彼は、演じる上での“基礎力”が相当に高いと感じる。『教場』終了後、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)で連ドラ初レギュラーの座も獲得し、主演の小芝風花とのコミカルな掛け合いも話題を呼んだ。『教場』とのギャップに驚かされた人も多かったことだろう。

 そんな大きな経験を経た味方が主演の一人を務める舞台『熱海殺人事件 ラストレジェンド ~旋律のダブルスタンバイ~』が紀伊國屋ホールにて上演された。味方が同舞台で主人公の木村伝兵衛部長刑事役を演じるのは4度目。演劇ファンだけでなく、『教場』での味方に惹かれ、足を運ぶ方も少なくなかったようだ。それほど同作での彼の印象は強烈だった。

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