「自分のせいで娘と学校に迷惑をかけてしまった。申し訳ない」。1月15日、新型コロナウイルスに感染した都内在住の30代の主婦が、こんな謝罪の言葉をメモに残し自ら命を絶った。コロナ禍で女性の自殺が急増。多くが経済的な不安が原因とみられていたが、この女性の“遺書”が新型コロナの新たな問題を浮き上がらせた。
女性は東京近郊のベッドタウンで、夫と小学生の娘と暮らしていた。新型コロナが日常を奪ったのは、今年の初めのこと。まずは夫が勤務先で濃厚接触者となり、PCR検査を受けたところ、陽性と診断された。夫はホテルで療養することになり、その後、1月8日に女性と娘も感染していることが発覚して2人は自宅療養となっていた。
14日に夫が宿泊療養を終えて帰宅したものの、その自宅では妻と娘が療養中。久しぶりの再会をがまんし、夫は別の部屋で眠りについたという。妻と娘が回復すれば、また元の日常が訪れる。そう信じていたのかもしれない。
しかし翌日、その願いは最悪の形で打ち砕かれた。その日、妻の部屋は朝から静まり返っていた。不審に感じた夫が部屋のドアを開けると、変わり果てた妻の姿があったという。生前には「娘が学校でコロナを広めてしまった可能性がある。娘の居場所がなくなるかもしれない」と夫に不安を口にしていたという。
「彼女は、子供が周囲からいじめられると恐れていたようです。そう考えたのは、彼女自身が、ママ友から強く当たられていたからだといわれています。都内の小学校ではクラスターが発生しており、感染者に敏感。ママ友のグループLINEでは“感染者通報板”のようなものがあり、吊るし上げられるケースもあるそうです」(全国紙社会部記者)
このニュースに、世の母親たちは敏感に反応している。都内在住の40代主婦は、「亡くなった女性の気持ちは痛いほどわかる」と話す。
「私も昨年12月にコロナに感染したのですが、ママ友のひとりに話したら、あっという間に話が広まったんです。直後、ママ友グループからは明らかに距離を置かれました。息子は小学6年生で、同級生には中学受験組も多い。“こんな大事な時期に感染するなんて、何を考えてるんですか!”と厳しい言葉をぶつけてきた人もいました。