お揃いのダークグレーのジャケットに、タートルネック姿。1月27日、昨年7月の豪雨被害にあった熊本県の被災地を、天皇皇后両陛下がオンラインで見舞われた。
「ネクタイ姿とは違う“被災地訪問スタイル”でした。普段通りの服装で臨む被災地の人々に、気を使わせないためのお心遣いでしょう。オンラインでも国民に寄り添われる、両陛下のお気持ちが感じられました」(皇室記者)
両陛下が国民と直接触れ合われる機会はコロナ禍で激減した。1月2日の新年一般参賀は中止を余儀なくされたが、それに代わり「新年ビデオメッセージ」という皇室初の試みをされた。
そのとき、陛下のお隣には雅子さまがお座りになった。国民に直接語りかけ、勇気づけたいという雅子さまの強い思いから、おふたりでのメッセージが実現したという。そして、両陛下が再び国民に語りかけられるチャンスが訪れる。2月23日、陛下が61才となられる誕生日だ。
「誕生日は、記者会見を通して国民にお気持ちをお伝えになれる貴重な場です。通常、会見には陛下おひとりで臨まれますが、今年は雅子さまとおふたりで会見に出られる可能性があるんです」(別の皇室記者)
天皇皇后が揃って天皇誕生日に会見された例が、過去に一度だけある。1990年12月、美智子さまが同席された上皇陛下の誕生日会見だ。「即位の礼・大嘗祭を終えて初めての誕生日という大きな節目だった」(宮内庁関係者)という。
さらに、雅子さまも天皇陛下のお隣で会見に臨まれたことがある。1996年、陛下が皇太子時代の誕生日会見だ。
「当時、雅子さまはご自分の誕生日では会見をされなかったので、“雅子さまのお声をお聞きしたい”という期待が高まっていました。そうした声に応えるように『ご夫妻で誕生日会見出席』という異例の試みをされたのです。さらに、それ以降、雅子さまはご自身の誕生日でも会見に臨むようになられ、体調をお崩しになる前の2002年まで続けられました」(皇室ジャーナリスト)
だが、両陛下が「令和の天皇皇后」として会見されたことは、まだ一度もない。
「皇太子同妃時代の誕生日会見は、結婚から3年が経って落ち着いたタイミングでした。令和の即位行事が落ち着いたいま、“即位後初”の節目として、並んで会見される可能性は充分にある」(前出・別の皇室記者)
両陛下は新年にビデオメッセージを出されるという、前例にない偉業をすでになされた。天皇誕生日で前例にない取り組みをされても、なんらおかしくはない。
「雅子さまのご体調を考えると、多くのカメラや記者の前に出られての会見はまだ厳しいでしょう。ですが、記者の人数を減らす、会見をオンラインにするといった工夫があれば、ご負担は格段に減る。オンラインの利用に積極的とされる両陛下ですから、『令和流』の新しい試みをされるのではないでしょうか」(別の皇室ジャーナリスト)