新馬戦はその馬の素質を見るのに重要なレースです。その期間が短くなるというのは調教師にとって堪えます。私の場合は自分が選んで馬主さんに買ってもらうというのが少なかったのですが、セリなどで自分が見立てた馬が新馬戦で結果が出ないと、次の「仕入れ」に影響があります。後々大きなレースを勝つかどうかは別として、新馬勝ちする馬を選んだというイメージはオーナーの印象がいいので、次も高い馬を買ってもらいやすくなると思うのです。
レース数が残り少なくなると、もともと頭数が多い大牧場や管理馬が豊富な有名厩舎の馬ばかりになってしまいます。
そんなこともあって、この時期は「デビュー戦は東京の芝で」などとは言ってられません。まず適した条件、芝、ダート、距離をイメージして、あとは使えるかどうか。期待していて使えないよりは、よりメンバーが楽で使える条件を優先します。勝てないまでも、5着以内に入って優先出走権を獲ることを考えます。
◆角居厩舎 今週の出走予定馬
2月6日(土)
中京3R 3歳未勝利 ウォータークレスト 牡3 55☆森裕太朗
中京11R アルデバランS 4歳以上オープン マグナレガーロ 牡6 56池添謙一
2月7日(日)
小倉5R メイクデビュー小倉 3歳新馬 アイリスアゲート 牝3 54藤岡康太
【プロフィール】
角居勝彦(すみい・かつひこ)/1964年石川県生まれ。2000年に調教師免許を取得し、2001年に開業。以後19年間、中央でGI26勝、重賞計82勝を含む761勝(2021年2月5日現在)。最多勝利3回、最多賞金獲得5回など13のJRA賞を受賞。地方、海外を合わせたGI38勝は現役1位。デルタブルースでメルボルンカップ、シーザリオでアメリカンオークス、ヴィクトワールピサでドバイワールドカップを勝つなど海外でも活躍。引退馬のセカンドキャリア支援や障がい者乗馬など福祉活動にも尽力。管理馬は他にウオッカ、カネヒキリ、エピファネイア、ロジャーバローズなど。