明治安田生命が昨年11月に実施した夫婦仲に関するアンケート調査によると、コロナの影響で「仲が良くなった」「どちらかといえば良くなった」と答えた人は19.6%で、「仲が悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」と回答した人(6.1%)の約3倍にのぼったという。
この数字に「ホントかよ?」と首を傾げるのは、テレビ局に勤務するA氏(45)である。
「コロナ前は残業や接待で午前様が多かったんですが、在宅勤務が多くなり夫婦で過ごす時間も増えた。それで夜に『きょう、どうかな?』と妻を誘ってみたんです。だけど『濃厚接触は控えましょ』とにべもなく断わられた。
以前は『疲れているから』『明日早いから』と断わられることが多かったけど、妻としてはコロナでいい口実ができたと思ってるんじゃないですか。向かい合って晩飯を食っているのに、ベッドだけは“密になりたくない”って……」
公務員のB氏(52)は、中学2年生の息子の言い訳に、声を荒らげてしまった。
「息子の2学期の成績が大きく下がっていたので『ちゃんと勉強してるのか』と聞いたんです。そしたら『コロナで学校がなかったから仕方ないじゃないか!』と逆ギレ。『それはみんな同じ条件じゃないか!』とついカッとなってしまった。まぁ、コロナで部活やら楽しみが減っているから、叱りすぎるのも可哀想なんですが……」
この年末年始は帰省自粛が広く要請された。それを“利用”されたと感じた人もいるようだ。
神奈川県で夫と2人暮らしの72歳主婦・Cさんは東京に住む息子の嫁に腹が立って仕方がないと話す。
「年末、妙に明るい声で電話してきて、『お義母さん、今年のお正月は伺えません。残念ですけど、このご時世なんで……』と言うんです。コロナでなくても、息子の家族は旅行やらで年末年始にはほとんど顔を出さない。遠方ならともかく隣の県ですからね。こちらは孫の顔を見たくて仕方がないのに……。嫁はただ、私たちに会いたくないだけ。それが透けて見えるから腹が立ちます。
それでも元日に孫の声が聞きたくなって電話したんですが、なんと留守電。息子の携帯に電話したら、千葉の嫁の実家に顔を出しているという。それはさすがに違うんじゃない?」