放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、小川彩佳アナ(35才)の夫・豊田剛一郎氏(36才)の不倫騒動について。
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『news23』(TBS系)の小川彩佳アナの夫で、医療ベンチャー『メドレー』の代表取締役だった豊田剛一郎氏の不倫報道。テレビ局に出入りしている女性の意見は、私が取材する限り、「小川さんが気の毒」で概ね一致している。あんなに美人の奥さんがいるのに…とか、子育てをしながらキャスターとして懸命にニュースを伝えているのに…ということではなく、「小川彩佳の夫」なる書かれ方に対してである。
ずいぶん前のことになるが、某局の著名な女性アナウンサーの夫の不倫が写真誌に報じられたときも彼女たちの意見は同様だった。夫のキャリアがいくら素晴らしかったとしても“一般男性”であれば、その知名度は“在京局の女子アナ”のほうが上。当時も見出しは女子アナ妻の名前が先に出て、メインカットはなんと彼女だった。
自らの意見をハッキリ言う女性キャスター
さて、小川彩佳アナと言えば、テレビ朝日の局アナ時代から才色兼備で知られ、長く報道番組を担当。看板番組の『報道ステーション』で7年半もサブキャスターを務めたことは彼女のキャリアに揺るぎない箔をつけた。『ニュースステーション』の時代からみても、自分の意見をあれだけハッキリ言う女性キャスターはいなかった。これが退社してわずか3か月で裏の『news23』のメインに就いた所以である。
TBSの女性アナウンサーを差し置いて出ているとか、産休から復帰するのが速すぎるなどと視聴者から言われているという記事を度々見かけるが、その“声”はどこまでの“数”なのやら。それよりも凛とした現れで的確にニュースを伝える小川アナは23時台、TBSにチャンネルを合わせる女性視聴者には決して嫌われていなかったように思う。
“報ステ”時代も含め、ハッキリした彼女の物言いに唸ったことは多数あるが、直近で非常に印象に残っているのは、昨年11月、同番組の企画でMISIAが全治6週間の怪我を負ったときのことである。
冒頭、TBSの山本恵里伽アナが局と番組を背負って謝罪をした後、小川アナは「取材現場には私もおりました」と続き、本来の企画趣旨やMISIAの想いなどにも触れ、最後は「これまで事故なくやってこられた乗馬クラブの皆様、そしてMISIAさんのファンと関係者の皆様に、心からお詫びを申し上げます。申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
間違いなく大きな事故ではあったし、小川アナの説明を聞けば、番組スタッフ側に落ち度があるようだ。が、こうしたケースでは通常、社員の局アナが頭を下げて「以上」である。
視聴者の皆さんもこれまでそんな場面しか見てこなかったのではないか。だが小川アナはフリーなのに細部にわたって長尺で説明をし、謝罪をしたのだ。