新型コロナウイルス感染後、髪や皮膚などに異変が生じたという報告は多い。プロ野球の近鉄、日本ハム、楽天で監督を歴任した梨田昌孝氏(67)は昨年3月に感染し、ICUでの治療を含む50日間の入院生活を経験した。PCR検査で陰性が確認されたあとも様々な後遺症があったというが、そのひとつが脱毛だった。梨田氏が振り返る。
「びっくりするくらい抜けましたね。入院中もそうですが、退院後も風呂場で髪を洗うと、ごっそりと抜けた。朝起きて枕元を見て、抜け毛の多さに驚いたこともありました。当時はかなりショックでしたね」
脱毛の症状は退院後も3か月ほど続いたという。
「これまで使ったことがなかった育毛剤も試すなどしました。そういった薬剤の効果なのか、時間が経って症状が和らいだのかは分かりませんが、いまは感染前の状態に戻っています」
その他に国内外の研究で指摘されている外見にかかわる後遺症としては、結膜炎のような目の充血や体重減少が挙げられる。
梨田氏は100kg近くあった体重が、ICUでの治療を経て16~17kg減ったという。
「入院から3週間ほどして起き上がれるようになったタイミングで、久しぶりに鏡で自分の顔を見て驚きました。頬がこけ、髪に一気に白いものが目立つようになっていた。10歳以上も老けたような感じでした」
重症化すれば寝たきりの状態が一定期間続き、筋力低下などに伴う体重減少が生じるわけだが、元の状態に復帰するまでには時間を要する。梨田氏はこう語る。
「退院から9か月が過ぎようとしていますが、リハビリやトレーニングを重ね、なんとか元の体重に近づいてきた状況です」
※週刊ポスト2021年2月19日号