実力は折り紙付きとされるロハス(共同)
異例ずくめのプロ野球キャンプのなかでも、実戦に一番大きな影響がありそうなのが外国人選手の動向だ。『週刊ポスト』(2月15日発売号)では、12球団の「助けに来ない助っ人」について特集している。それによれば、2月1日のキャンプ・インに参加できた外国人選手は12球団83人中わずか13人だった。キャンプ中盤になっても、約50人の選手がチームに合流できていない状態だという。理由はもちろんコロナ。新加入や在留資格が一時的に切れている選手などは新規のビザ申請ができず、入国制限の対象にされているからだ。
不在の助っ人の内訳は、巨人4人、阪神2人、中日5人、横浜10人、広島2人、ソフトバンク7人、ロッテ2人、西武5人、楽天4人、日本ハム4人、オリックス2人。主力か控えか、すでに実績があるか新加入かなど、それぞれ事情は違うが、そのなかで同記事でも「緊急事態なのに余裕しゃくしゃく」と指摘されたのが阪神だ。
助っ人8人体制という大所帯で臨む今シーズンだから、本来なら入国制限の影響は大きいそうなものだが、新加入のアルカンタラ、ロハス以外の6人はすでにキャンプ・インしており、しかもキャンプ冒頭から12球団最多の5人(4人は2日目から参加)がチームに合流できた。これだけでも大きなアドバンテージである。
「来日できていない2人については、アルカンタラは150キロ台のフォーシームと130キロ台のスライダー、フォークを武器にしており、2ケタ勝利を計算していたから影響はあるでしょう。日本のストライクゾーンに慣れるまで時間が必要かもしれません。ただ、もうひとりのロハスについては、逆に来日が遅れることがプラスになる可能性もある。
昨季は韓国プロ野球で47本塁打、135打点で二冠王になったスイッチヒッター。巨人と獲得競争になって2年5億円で競り勝ったとおり、実力は折り紙つき。しかし、前評判が高い外国人選手ほど、シーズン前に在阪スポーツ紙と各球団スコアラーに、“このコースが苦手だ”、“課題はスライダーへの対応”などと丸裸にされ、実戦では実力を発揮できないパターンが多かった。今回は少なくともそういう心配はない」(阪神担当記者)