中国では新型コロナウイルスのワクチン2種類が正式に認可されたが、早くも市中に偽のワクチンが出回り始めており、警察当局は2月初旬、3000回分以上の偽のワクチンを押収し、80人以上を逮捕したという。
中国保健当局は、新型コロナウイルス感染症のワクチンは近く、全国民が無料で接種できるようになるが、その前に、出回っているワクチンは偽物だと注意を喚起している。中国の国営新華社通信などが報じた。
中国各地の警察当局は2月2日、「ワクチン関連犯罪の法に基づく厳格な取り締まり、厳密な防止」をテーマとする特別活動を実施。偽ワクチン製造・販売の犯人グループは北京や上海、江蘇省や山東省など中国内の数カ所を拠点としており、一斉に家宅捜索を行った。
警察の調べによると、偽ワクチンは単なる生理用食塩水で、容疑者らは昨年9月から偽ワクチンを製造し、10本入りの1セットを200元(約3200円)で販売していたという。
警察当局は製造・販売された偽ワクチンの流れは全て明らかになっているとしているが、中国共産党系の国際問題専門紙「環球時報」は関係筋の話として、「犯人グループは偽ワクチンの輸出をもくろんでいた可能性もある」と報じている。