スポーツ

昭和の大横綱・大鵬が生きていたら…「四股でコロナを踏みつけていた」

大鵬は大横綱になっても慢心せず、気を遣う人だったという(写真/共同通信社)

大鵬は大横綱になっても慢心せず、周りに気を遣う人だったという(写真/共同通信社)

 政治や経済のみならず、スポーツ界にも停滞感や閉塞感が漂っている。ノスタルジーに浸るつもりはないが、昭和の時代を彩った横綱・大鵬が今の時代に生きていたら、このコロナ禍をどう乗り切っただろうか──。芥川賞作家の高橋三千綱氏が歴史を振り返りながら想像した。

 * * *
 連続6場所2回を含む優勝32回を記録した昭和の大横綱・大鵬ですが、横綱としての品格も抜きんでていました。

 北海道の貧しい家庭に生まれた大鵬は、偉大な大横綱になっても慢心せず、付け人たちには「小遣いはあるか」「飯は食っているか」と常に気遣う人だった。

 行司の差し違えで45連勝という大記録が途切れ、「世紀の大誤審」と言われた戸田戦(1969年春場所)でも大鵬は「あんな相撲を取った自分が悪い」とコメントしている。これぞ、横綱の品格である。

 そんな大鵬が今の時代に生きていたらさぞや嘆いたでしょう。

 相撲協会は1場所4億~5億円とも言われるNHKからの放映権料のことしか考えていない。無観客や観戦制限で強行開催しようとする姿勢に対して、大鵬が現役横綱だったら「相撲は満員の観衆の前で取るものだ」と宣言して休場してたでしょうし、もし八角親方(元横綱・北勝海)のように理事長の立場なら本場所の中止を即刻、決断したはずです。

 大鵬は江戸時代の相撲取りに憧れていた。当時、相撲は“庶民の娯楽”であり、土俵周りを人が取り囲み、やいのやいのと歓声を浴びながら取るもの。大鵬も国技館を埋め尽くす観衆の前で取らなければ意味がないと。観客に対しても気遣いをする横綱だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン