40年前に、わずか7年間の芸能活動。日本の長い芸能史の中では一瞬の煌めきだったが、最も輝く星でもあった。1月下旬、山口百恵さん(62才)の引退コンサートがリバイバル放送されると、彼女の一挙手一投足に再び感嘆の声があがっている。
14才で芸能界デビューし、21才まで活動した百恵さん。引退後は、三浦友和(69才)と結婚し、その後芸能活動は一切行っていない。普通でいることの難しさを痛感した7年間の芸能生活だったからこその、決意の固さだったのかもしれない。
三浦百恵のことしか知りません
百恵さんの引退後の趣味がキルトだ。多色の布を縫い合わせて刺し縫いしたものである。
昨年、百恵さんが製作した作品を収めたキルト作品集『時間の花束 Bouquet du temps』(日本ヴォーグ社刊)が出版され、累計20万部を超える大ヒットを記録した。
「本当に、趣味でも極めてしまうなんてさすがですね」
そう健気に語るのは大ヒット曲『かもめが翔んだ日』でおなじみのシンガーソングライター・渡辺真知子(64才)だ。年齢は渡辺が2つ上だが、芸能界では百恵さんが5年先輩。同じ神奈川・横須賀出身で、所属レーベルが同じという共通点もあり、当時2人は互いを“マッチ”“モモちゃん”と呼び合い、百恵さんにとって数少ない親友の1人だった。
そんな渡辺は7年前、百恵さんが愛情を注いできた息子でミュージシャンの三浦祐太朗(36才)のラジオ番組にゲスト出演した。そのときに無性に懐かしい気持ちを覚えたという。
「口調が、本当に百恵さんに似ているんですよ。だからつい、昔やいまの百恵さんについて聞いてみたんです(渡辺)
すると、彼の答えは一言。
「母の三浦百恵のことしか僕は知りません」
その答えに、渡辺は古き日の百恵さんを重ねたという。朗々と語るのではなく、短い言葉で周囲の人の心を動かす。まさに古き日の百恵さんだった。
では、母・三浦百恵とはどんな女性なのか。渡辺は40年以上前の楽屋でのエピソードを明かした。