あの熱狂から3年──2018年の新語・流行語大賞で「そだねー」という相槌が大賞を受賞した、カーリング女子日本代表チーム「ロコ・ソラーレ」。北京五輪を翌年に控え、いま彼女たちはどんな活動をしているのか。カーリング取材歴10年以上のスポーツライター・竹田聡一郎氏がリポートする。
* * *
3年前の2018年2月24日、平昌五輪で日本代表のロコ・ソラーレが史上初のメダル獲得を果たした。
攻防一体となったカーリングの高いゲーム性や、ハイレベルな世界トップクラスのスーパープレーに加え、ロコ・ソラーレメンバーの明るいキャラクターが人気を博した。カーリングおよびロコ・ソラーレ人気は徐々に拡散、加速し、3位決定戦では瞬間視聴率は42%超えという数字を叩き出した。これはフィギュアスケートで羽生結弦が五輪連覇を達成した偉業の瞬間46%に肉薄する数字だ。
北海道のイントネーションでの相槌「そだねー」や、ミーティングを兼ねたハーフタイムの栄養補給は「ピクニックみたいで楽しそう」と“もぐもぐタイム”と呼ばれ、これらは流行語となる。彼女らは一躍、人気アスリートとなった。
それから3年が経った。
平昌五輪ではリザーブとして献身的にチームを支えた本橋麻里は、一度は選手としての活動を休止した。ロコ・ソラーレを社団法人化し、自らは代表理事に就任。同時に「将来的、2026年の五輪を目指せればいいと考えています」とロコ・ステラという育成を目的としたセカンドチームも立ち上げる。2020年にはそのロコ ・ステラのスキップとして選手復帰も果たした。
本橋以外の氷上に立っていた4人のメンバー、藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花に関しては、チーム結成以来のコーチである小野寺亮二コーチによれば「3つ年をとったけれど、キャラクター的には変わっていない。でもカーリングは上手になった。すごい学んでいるし役割分担をして、目標に向かってチーム全体でやり切る力が備わったと思う」とのことだ。
その目標のひとつが、藤澤が銅メダルで終えた平昌五輪後に「世界一になってみたい」とコメントしていたように、「グランドスラム」と呼ばれるワールドツアーの最高グレードのタイトル獲得だ。この3年はそのための研鑽の期間とも言い換えることができるかもしれない。