「女性は話が長い」──女性蔑視発言によって、森喜朗氏(83才)が東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長を辞任し、混迷する東京五輪。後任は、通算7回の五輪出場記録を持つ橋本聖子氏(56才)が務めることになった。
橋本氏は2014年、ソチ五輪の選手村でフィギュアスケートの高橋大輔選手(34才)にキスを強要し、騒動になった過去がある。セクハラ問題に関する謝罪は済んでおり、あとは新型コロナ対策だけ──そう思いきや、橋本氏の地元・北海道の関係者の間では、セクハラ問題以上に“蒸し返されたくない過去”があるとささやかれている。
「それは父・橋本善吉さん(享年96)の金銭を巡るトラブルです。善吉さんは地元で“名士”と呼ばれる一方で、多額の借金が問題視されていた。聖子さんは1995年の参議院選挙に立候補して初当選しましたが、2019年に五輪担当相に就くまで25年近く入閣しなかった。それも父親の金銭トラブルがネックになっていたからだと噂されています。その父親も昨年10月に亡くなりました」(地元関係者)
世界中から注目が集まっている橋本氏の“足かせ”となっていた父親とは、どのような人物なのだろうか。
橋本氏の実家は北海道・安平町にある競走馬を育成する「橋本牧場」。1970年代には米国から無敗の名馬・マルゼンスキーを持ち込むなど、競馬ファンの間では知られた存在だ。4人きょうだいの末っ子として生まれた彼女は、五輪出場という父に託された夢を果たすべく、3才からスケートを始めた。冬にはマイナス30℃にもなる極寒の地で育ったが、父から受けた教育はそれ以上に厳しかったという。
「お父さんが仕事から帰ると、家族は玄関で三つ指をついて出迎える。お父さんが薬をのもうとしたら、そのタイミングを見計らってコップの水を持っていかないと怒鳴られる。とりわけ年の離れた末っ子の聖子さんには厳しかったようで、反射神経を養うために乗馬を教えられ、落馬するとムチでぶたれることもあったようです」(前出・地元関係者)
そんな父の牧場経営に陰りが見え始めたのは、ちょうど橋本氏が初めて五輪出場を果たした1980年代中頃だった。
「経営拡大のための借金が増え、1億円の取り立てに来た暴力団員に監禁される事件まで起こりました。地元の信用組合から本来の融資限度額の2倍以上に相当する16億円あまりの融資を無担保で受けたものの、返済が停滞。この信用組合は経営破綻に追い込まれました。破綻を巡る裁判でも、善吉さんに対する融資が“許されざる融資”としてやり玉に挙げられたほどでした」(地元紙記者)