2月26日、国会で森友学園との国有地取引をめぐる公文書改ざんの問題が取り上げられた。立憲民主党の階猛議員は衆議院財務金融委員会で、改ざんをさせられたことを苦に命を絶った財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(享年54)が経緯を詳しく記していたとされる文書、通称「赤木ファイル」について明らかにするよう麻生太郎財務大臣に迫ったほか、「隠ぺいを続けるのならまた(改ざんは)繰り返される。公務員の倫理も廃れていくのではないか」と指摘した。
実はこの26日は「森友学園問題」にとって重要な節目だ。俊夫さんが初めて上司に指示されて改ざんを行ったのが、2017年の2月26日なのだ。雅子さんはその日のことをこう振り返る。
「今日2月26日は、私たち夫婦にとって忘れられない日です。4年前の日曜日、夫の久しぶりの休日。私たちは近所の梅林公園にいました。『満開やね』『いい香りやわ』と語り合っていたら夫の携帯が鳴りました。職場からです。電話が終わると夫は言いました。
『上司が困っているから僕、助けに行くわ』。笑顔でこう言い残し職場に向かったんです。でも、その日を境に夫は少しずつおかしくなっていきました。そして1年。夫の職場の不正行為について、新聞に記事が出ました。『夫がやらされたこと、これやったんや』。
でも職場からは何の連絡もありません。自分だけのせいにされると怯えた夫は、自宅で自ら命を絶ちました。夫を変えてしまったあの日、私たち夫婦の平和な暮らしを壊した運命の2月26日を、私は決して忘れません」
4年前の2月26日、俊夫さんの身に何が起きたのか。雅子さんの証言をもとに、大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏がリポートする。
* * *
あの日、俊夫さんはご機嫌だった。森友事案への対応で連日激務が続く中、久しぶりの休日。まず夫婦で神戸・三宮の行きつけのセレクトショップを訪れ、お気に入りのブランド・インコテックスのパンツを2本買った。これからの季節にぴったりの夏もののパンツ。