その実力は本物か──。阪神ドラフト1位・佐藤輝明(21)の活躍に虎党は早くもお祭り騒ぎだ。快音を轟かす新星が連日スポーツ紙の一面を飾っている。
ムキムキの体から繰り出される外国人選手を思わせる豪快なスイング。フリーバッティングで快音を連発すれば、「バックスクリーン越えテル~145メートル野人弾」(サンスポ・2月3日)、日本ハムとの練習試合で体勢を崩されながら本塁打を放つと「右手一本、衝撃デビュー」(デイリー・2月10日)──。ネットでも〈マジで和製バースありえるやろ〉などと期待の声は大きい。まさに“佐藤祭り”だ。
阪神の新戦力が“3倍増し”でメディアに持ち上げられるのは、開幕前の恒例。虎党は何度も騙されてきた。しかし、近畿大学時代に関西学生リーグの通算本塁打記録「14本」をマークした佐藤の実力は本物のようだ。沖縄キャンプを現地取材した元阪神監督の岡田彰布氏も太鼓判を押す。
「片手でスタンドに運んだ日本ハム戦のホームランも素晴らしかったが、低めの変化球をはじき返した1本目のヒットもタイミングを崩されながら芯で捉えていた。軸がぶれずにどっしりと自分のスイングができとる証拠やね。最大の魅力は長打力。これはズバ抜けとる。阪神で今、一番ええバッターやと思うで」
岡田氏は早大時代、東京六大学リーグで三冠王を獲得。通算81打点は現在も破られていない。同じく大卒の黄金ルーキーだった岡田氏から見ても、素質はピカイチのようだ。
キャンプで佐藤のサードの守備を指導した臨時コーチの川相昌弘氏は守備力も評価する。
「スローイングに自信を持っているようですし、グラブさばきも器用ですね。センスもいい。これから足を使った練習にしっかりと取り組めばさらにいい選手になる」