担当する番組で日々真剣勝負を繰り返す女子アナたち。共演者だけが知っている素顔がある。長年続く日曜朝の情報番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)の初期からコメンテーターを務めるテリー伊藤氏が、歴代アナを振り返った。
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女子アナは大変だなって思うんですよ。野球選手がルーキーで3番、4番を打つように、新人でもいきなり人気番組を任される。プレッシャーだけど生き甲斐でもあり、続けるうちに女子アナから“女性アナ”へと成長していくんだよね。
今の『サンジャポ』の山本(里菜)も、最初は苦労したと思います。アナウンサーはトークが盛り上がっていても、カットインして次のコーナーに行かなきゃならない。話に水をさすようで、新人には難しいですよね。彼女の前には(田中)みな実や吉田(明世)がいたから、最初はつくり笑顔や、無理にキャピキャピしている印象もあった。でもここ1~2年は表情が変わりました。自分なりの方法が見えてきたのか、もしくは写真誌に男と撮られて吹っ切れたのかもしれない(笑い)。
俺がこういうこと言うから、アナウンサーは俺に悩みなんて相談しないけど、吉田は結婚後も俺の自宅に遊びに来てくれるくらい仲が良い。万人に好かれるタイプで、(杉村)太蔵さんとよく、「結婚するなら明世ちゃんだな」って話しました。
真逆なのが田中みな実(笑い)。「嫌いなアナウンサー」1位にも選ばれたけど、彼女には逆手に取るしたたかさがあった。だから共演者として喋りやすかったです。当時、本番直前に「彼氏とまだ付き合ってる?」なんて言っても、普通に返事して、スタッフもみんな笑ってましたからね。フリーになって写真集を出版した決断も、その道に進むと決めた彼女の逞しさを感じます。
フリーといえば、TBSを辞める前に『サンジャポ』に出てくれていた宇垣(美里)さんには「媚びない良さ」があった。もう少し長く、キャラが定着するまで共演できていたら……とも思うけど、感性を磨いて媚びない良さを伸ばしてほしいね。
田中みな実がアナウンサーの価値観を変えたように、これからの時代は色々な女子アナがいていいんです。振り返ると、『サンジャポ』最初の小倉弘子さんは「バリキャリ」でどんな職業でもこなせそうと思った。青木裕子はほわ~んとしているようで、いちばん真面目に原稿を読んで準備していた。だから、それぞれ爆笑問題と信頼関係ができていたと思います。面倒見がいいから、長年のMCの責務としてこれからも女子アナを育ててほしいね。俺は、好き勝手に喋ってますから(笑い)。
【プロフィール】
テリー伊藤(てりー・いとう)/1949年、東京都生まれ。コメンテーターやディレクターとして数々の人気番組に携わる。
※週刊ポスト2021年3月12日号