同じ高校に息子を通わせる3人の母たちの恋と人生を描いたマンガ『恋する母たち』(女性セブンで連載)が完結した。昨秋にドラマ化もされた本作では、アラフォー女性の揺らぎや惑いをリアルに浮かび上がらせ、ふとした隙に入り込んでくる“恋”に多くの読者がは共感した。連載当初からの読者である林真理子さんと作者・柴門ふみさんが、大人の女性の恋、特に不倫について語り合う。
最近では、フリーアナウンサーの小川彩佳さんの夫が、年下の一般女性と長く不倫関係にあったことがスクープされた。これまでの例に漏れず、夫も女性にも非難の声が集中し、夫は会社の社長職を辞す事態に。それでも、林さんと柴門さんには驚きはなかったという。
林:私は逆に、男性が不倫しているのが当たり前みたいな環境がまわりにあるから(笑い)。愛人がいるような男性は普通のサラリーマンではなかったり、企業でもかなり上の人たちだったりするんですけど。
柴門:そうやってお盛んに楽しい不倫ライフをしている人は都会のごく一部の人で、男女ともそのサークルの中で回しているんだと思うんです。
林:あの有名人の愛人だった人が次はあの人の……って、ありますね。
柴門:不倫好きというか、不倫で得られる快楽を味わってしまうと、別の不倫でしかその欲求を満たせなくなるというか。それがわかっているからやめられない。だから納得ずくで、同じメンバーがぐるぐる回っている気がしますね。いちばん危ないのは、そこに素人が入ること。
林:そのサークルの中に素人がうっかり入ってしまうと、火傷する。
柴門:素人は気持ちが振り回されて傷ついたり、復讐に走ったりするから、面倒なことになるんですよ。
林:なるほどねぇ。世に言う「港区女子」とか「プロ愛人」とか、そのサークルにふさわしい人たちというのがいる、ということですね。
柴門:例えば、『恋する母たち』(以下『恋母』)では、杏(登場人物の石渡杏。シングルマザー。ドラマ版では木村佳乃が演じた)の元ダンナの慎吾(不倫相手と失踪した)や斉木(ドラマ版では小泉孝太郎が演じた)の元妻の由香(慎吾の駆け落ちの相手)がプロ不倫グループなんです。でも斉木と杏はどちらも素人だったから、配偶者がプロだったために振り回されて、傷ついてしまった、と。
林:そうか、プロ不倫……。