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国広富之『岸辺のアルバム』を振り返る なかなか出会えない凄い役

ドラマ『岸辺のアルバム』で印象に残っていることとは?

ドラマ『岸辺のアルバム』で印象に残っていることとは?

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏による、週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優の国広富之が、ドラマ『岸辺のアルバム』での経験を振り返る。先輩俳優からかけられた言葉とは──。

 * * *
 国広富之は学生時代に京都で時代劇の大部屋俳優を経験した後に上京、松浦竹夫演劇研究所で演技の基礎を改めて学ぶ。

「養成所で一番感じたのは、東京ってこんなにたくさん若い人が俳優になりたくて集まっているんだ──ということですね。ライバルの多さにショックとプレッシャーを感じました。

 京都の大部屋は僕みたいな若者からおじいちゃんまで幅広くいるわけです。職業エキストラが多いからライバル意識もありません。『お兄ちゃん』『おっちゃん』という感じでいつも過ごしていました。ところが東京に出てきたら、みんな芝居のことをよく知っているわけです」

 養成所に所属しながら、ヒラタオフィスに所属。平田崑社長の売り込みもあり、一九七七年にテレビドラマ『岸辺のアルバム』(TBS)で実質的な主人公ともいえる役に抜擢された。

「TBSに行ってプロデューサーの大山勝美さんや堀川とんこうさんにお会いして、ほんの二、三分の面接をして、それから数日後にオーディションです。

 そこから十日もしないうちに『国広、決まったから』と、東京新聞で連載していた山田太一さんの原作を読むことになったんです。で、僕が演じることになる少年が主役なんですよね。

 テレビドラマは八千草薫さんが演じるお母さんがメインなんですが、小説は繁という少年の目を通して家族の崩壊が描かれています。いきなりこんな役、できるのかな──と不安になりました。血の気が引くくらい、怖くなっていきましたね」

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