外に出た瞬間、鼻がムズムズしてくしゃみを一発。しまった、今朝は薬をのみ忘れた──あまりの息苦しさに鼻をかもうと思っても、今年は外でマスクを外すのもはばかられる。そんな八方ふさがりに陥ったときは、専門家が考案した、一瞬で症状を抑える方法を試してみてほしい。
「鼻腔の狭まり」が花粉を呼び込んでいた
骨格矯正士の清水ろっかんさんは、鼻腔(鼻の穴)が狭いと花粉症を発症しやすくなり、症状も重くなると話す。
「花粉症は、鼻の粘膜に花粉が付着することによるアレルギー反応です。鼻腔が広ければ、花粉はそのまま肺へ落ちていきますが、鼻腔が狭いと、鼻の粘膜に花粉がくっつきやすくなり、花粉症の症状が出る可能性が高くなります。
また、鼻腔が狭い分、鼻から息を吸い込んだとき、穴を通る空気のスピードが速くなります。すると空気によって粘膜が刺激され、炎症を起こしやすくなる。炎症が起きると、鼻腔内の粘膜が腫れあがって、ますます鼻腔が狭くなり、鼻づまりがさらに悪化するのです」(清水さん・以下同)
清水さんによれば、鼻腔が狭くなるのは「頭蓋骨のゆがみ」が原因だという。というのも、多くの人がどちらかの足に体重をかけるクセを持っているため、それによって少しずつ骨がゆがんでいくという。大人になるにつれて少しずつ体がねじれてくるのだ。
「日本人の7〜8割は、背骨が左右どちらかに曲がっている『側弯症』の状態になっている。どちらかといえば、左足に体重をかけるクセのある人が多い。このクセがあると、体の左側の筋肉がこって縮み、骨盤の右側が上がった状態になってしまうのです」
特にいまは、コロナ禍で外出する機会が減っているせいで、骨盤がゆがみやすいとも。
「座ってスマホを触っているとき、ほとんどの人は猫背になって、骨盤が前に倒れています。こうした骨盤のゆがみは、背骨や首の骨を通して頭に圧をかけ、頭蓋骨を前後・左右に非対称にするのです。頭蓋骨の額のあたりが鼻に向かって下がってくるせいで、それに押された鼻骨(目の間にある、鼻のつけ根の骨)がくぼんで低くなり、鼻が右か左に倒れるようにズレて、鼻腔が狭くなります」
“セルフ骨格矯正”で花粉をブロック!
そこで紹介するのが、鼻のゆがみを整えて鼻腔を広げる骨格マッサージだ。まず、右の人差し指と中指を使って、鼻骨を左側から押さえる。その手で鼻骨を右側に強く押し込みながら、左の手のひらのつけ根を左の頬骨に当て、左耳に向かって引っ張るようにグッと強く押すだけだ。1回につき、20~30秒かけて押し、終わったら反対側も同様に。
【鼻骨のズレを正すマッサージ】
「鼻のズレが矯正されて鼻腔が広がるので、鼻通りがよくなるのをすぐに実感できます。かなり強い力で押しても大丈夫です」