今季のF1開幕が迫っている。7年ぶりとなる日本人F1ドライバー、角田裕毅選手がデビューすることで例年以上に注目が集まっているが、その角田選手が参戦するチーム、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダには、日本人女性・本村由希(もとむら・ゆき)さんが働いている。本村さんはイギリスの名門サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッド、リバプールFCでの勤務を経て、2019年にF1チームへ。欧州でスポーツマーケティングのキャリアを重ねる本村さんに、F1の現場、チームについて、そして角田選手への期待を伺った。
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サッカーからF1へ スポーツ業界で働いて10数年
──まもなく開幕です。コロナの影響はまだまだ心配ですが、そんななか、無事に2021年型マシン『AT02』のシェイクダウンが終わりました。
本村:うちの車、かっこいいと評判です(笑)。今は開幕に向けて、それぞれが準備を進めているところです。また旅の生活が始まるのが楽しみです。
──まず、本村さんの仕事について伺いますが、アルファタウリの「スポンサーキーアカウントマネージャー」を務めていらっしゃいます。どんな仕事でしょう。
本村:アルファタウリの正式名称は、スクーデリア・アルファタウリ・フォーミュラワン・チームと言います。前身は、イタリアのミナルディです。2006年にレッドブル・グループがミナルディを買収して、スクーデリア・トロロッソとなり、2020年からアルファタウリとなりました。アルファタウリはレッドブルのラグジュアリー・アパレルブランドで、私たちはレッドブルファミリーの一員として、F1に参加しています。ご存じの通りエンジンのサプライヤーはホンダで、日本とも関わりの深いチームです。
私の仕事は、ホンダさんやカシオさん、RDSさんといった日本のスポンサーのみなさんのお手伝いをすることです。具体的にはイベントの希望があれば手配をし、ドライバーの取材をしたいというときには、ドライバーと広報をつないでアレンジをする。F1を使ってスポンサーさんにマーケティングやブランディングをしていただく、そのサポート全般が私の仕事になります。外国人である私が雇われている理由、何が必要とされているかを常に考えて仕事をしています。