いつ大きな地震が発生するかわからない日本列島。東日本大震災の経験で得た教訓を今後に活かしていかなくてはならない。
被災して避難生活に入ると、いろいろと足りないものも出てくるだろう。しかし、実際に避難生活を経験しないと、何が必要で、何が必要でないかはわからないものだ。
避難所生活中、全国からさまざまな物資が届く。しかし、なかには送られてきて困ったものもあったという。避難所生活で本当に役立ったものを、陸前高田市で被災した防災士の佐藤一男さんに聞いた。
「助かった」もの
●タオル
「体を拭く、枕やアイマスクにする、羽織って防寒対策、広げて吊るせば目隠しになるなど、多用途に使えるので、タオルは大中小、何枚あっても困りません」(佐藤さん・以下同)
手ぬぐいなど生地の薄いものならマスク代わりにもなる。防災袋に入れるときは、圧縮袋を使えばコンパクトになるのでおすすめ。
●寝間着・ゆるい衣類
避難所では、一日中同じ服装で過ごすことになるため、寝るとき用のゆるい衣類が手に入ったときはうれしかったという。
「洋服のまま寝るのって、想像以上に窮屈なんですよね。ウエストがゴムになるだけでも、横になるときラクですよ」
●おもちゃ・漫画など娯楽品
「娯楽品は、命にかかわるものではないので、支援を受ける側からは“欲しい”とは言いづらいんです。それだけにおもちゃが届いたときは、本当にありがたかった。子供たちのいい気分転換にもなり、特に家族でできるトランプは重宝しました」
●模造紙+フェルトペン
「物資の配布など、避難所内で決まったことは、毎日同じ時刻に発表するようにしました。その際に活躍したのが模造紙とフェルトペン。アナログではありますが、身近な人に最新情報を伝えるのに紙とペンは必要不可欠でしたね」
●マスク
避難所では風邪が一気に蔓延する。コロナ禍にかかわらず、感染症対策としてマスクは必須。
「避難所の建物は天井が高く、乾燥しがち。のどを痛めると風邪を発症しやすいので、寝るときもマスクをした方がいいですよ」