国際情報

メーガン妃の差別告白 “王子救う物語”を阻む「ロイヤルバイアス」

これまでの苦悩を吐露したヘンリー王子(右)と妻のメーガン妃(写真/時事通信フォト)

これまでの苦悩を吐露したヘンリー王子(右)と妻のメーガン妃(写真/時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、テレビのインタビューで英王室の「人種差別」を告発し大きな話題を呼んでいるメーガン妃について。

 * * *
 今週、アメリカやイギリスでは英王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃のテレビインタビューでの衝撃的な告白で持ちきりらしい。日本でも放送前から注目を集めていたが、期待を裏切らないその内容は予想以上のものだったようだ。

 3月7日、米CBSテレビで人気司会者オプラ・ウィンフリーによる英王室離脱後初のインタビューが放送された。視聴者数は1710万人以上。翌8日に英テレビ局ITVで放送された時も1130万人が視聴したという。日本で見れないのが残念でならない。

 メーガン妃が着ていたのは、右肩から胸元にかけて淡い色の花模様がデザインされた黒のワンピースドレス。メーガン妃に黒という色のイメージはなかったが、やはり告白の場に選んだのは黒だった。強い気持ちや決意を表す時、黒を選ぶ人は多い。一流アスリートの引退会見でも、黒系を着用する例がよく見られる。英王室の内側を暴露するということは、王室とは完全に縁を切るという彼女の決断だろう。

 メーガン妃は、生まれてくる子供の肌がどれくらい濃いのかという会話がなされたと淡々と話し、「生きていたくないと思った」と告白。王室は「他の王室メンバーを守るために平気で嘘をつく」と語り、自分たちを守ってくれなかった、黙らされていたと批判した。

 もちろん、人種差別はあってはならないが、人種差別とメンタル問題を出されれば、誰も表だって彼女を責められない。一方で、王室と対峙するほど、可哀想な自分を露にするほど世間の彼女への興味や関心は高まる。ネット上でバズるほどその価値が上がるのも事実だ。

 そして海の向こうは大騒ぎ。米女子テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手は、「経験した痛みや残酷さがよく表れている」とインスタグラムに投稿。セレブたちが彼女の支持を表明する中、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官までが「実体験について話すことは勇気がいる」とコメント。ヘンリー王子夫妻のインタビューを批判した英テレビ司会者ピアーズ・モーガン氏は、苦情が殺到して番組を降板する事態になった。

関連記事

トピックス

地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン