俳優・新田真剣佑(24)が4月末で所属事務所を退社し、5月から海外へと進出する。国内の芸能活動としては最後の主演映画となる『ブレイブ -群青戦記-』(3月12日公開)を残して旅立つ彼の挑戦に、期待の声が高まっている。
日本を代表する映画スター・千葉真一を父に持つことでも知られる新田真剣佑。アメリカ・ロサンゼルスで生まれた彼は、幼少期から空手を習ってジュニア大会で優勝を果たす実力を身につけるなど、アクション俳優でもある父の後ろ姿を追いかけるかのように成長してきた。
極真カラテ四段の実力者でもある父・千葉真一は、スタントマンに頼ることのないアクションスターの草分け的存在だ。1959年に東映へと入社し、翌1960年にテレビドラマ『新 七色仮面』で主演デビューを飾って以降、実に60年にもわたって映画やテレビドラマの世界で活躍し続けてきた。
映画評論家の寺脇研氏は、そんな父・千葉真一の足跡を引き合いに出しつつ、このたびの海外進出が新田真剣佑にとって本格的なアクションの道へと進むための転機となると指摘する。
「新田真剣佑はハリウッドで生まれ育ち、高校時代にアメリカで俳優としてデビューしています。しかし、大学を中退して20歳で映画俳優となった父・千葉真一のように、まずは若い俳優に活躍の機会が多く与えられる日本を仕事の場に選び、2014年から国内で活動を続けてきました。
2017年には映画『ちはやふる』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、高い評価を受けてはいます。ただ、現在の日本映画界は“キラキラ青春映画”と呼ばれるマンガやライトノベルを原作とする作品が主流で、彼の目指す本格演技やアクションを生かせる場面は必ずしも十分とはいえません。
父も、デビューから10年ほどは作品に恵まれず、テレビドラマ『キーハンター』主演で人気を得たのは30歳近くになってからでした。そのきっかけを掴んだ後は、さまざまな役をこなし、アクションスターであると同時に演技派としても名をあげました。新田真剣佑も、そうした父の足跡を意識しているのでしょう。ひとつの転機として、再びアメリカでの挑戦を試みる勇気を応援したいと思います」(寺脇氏)