3月15日(日本時間)、第63回グラミー賞の受賞者が発表された。韓国の人気グループ、BTS(防弾少年団)が「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス」部門にノミネートされていたが、同部門はレディー・ガガ&アリアナ・グランデの「レイン・オン・ミー」が受賞することとなった。
BTSメンバーで、ラップ、作詞作曲なども担当するSUGA(シュガ)をはじめ、かねてより「グラミー受賞が夢」と語っていたBTSだけに、ARMY(BTSファンの総称)たちも落胆の色を隠せないようだ。
なかには「ノミネート自体が光栄」という声もあったが、一方で「落選してよかったのかもしれない」と受け止めるファンもいるようだ。ARMY歴4年の女性ファン・Aさん(20代)は、その理由をこう語った。
「グラミーはバンタン(BTS)とアミ(ARMY)の夢でした。最年長のジン(JIN)が兵役を控えており、他のメンバーもそれに続くだろうという不安な状況で、コロナ禍が訪れました。メンバーも一時期は、アミを前にパフォーマンスすることができず、とても落ち込んでいましたし、ユンギ(SUGA)が怪我で活動休止をしていたこともあって、2020年は大変な1年でした。だからこそ、グラミー受賞に高い注目が集まっていたんです。
ただ、その一方で、もしグラミーを受賞してしまったら、全力で走り続けてきた彼らが目標を失ってしまうのではないかと懸念するファンもいました。だからこそ、目標を失わないためにも『ノミネートされて、単独でパフォーマンスができた』というこの現実が、逆に良かったのかもしれません」(Aさん)
別の女性ファン・Bさん(30代)も、次のように話す。
「バンタンは世界中をコンサートで飛び回り、レコーディングや楽曲制作、リアルバラエティ番組の撮影、音楽番組の出演などを休むことなく続けてきました。そんななか毎日欠かさずSNSを更新して、ファンのためにメッセージを送り続けてくれる愛情深いグループです。
グラミー賞はファンと彼らの夢ではあるけど、必ずしも『アメリカ向け』を意識し続ける必要はないと思う。一ファンの意見に過ぎませんが、英語圏で受ける楽曲だけでなく、韓国語のヒップホップ色が強い楽曲もまた聴きたいし、『花様年華』(2015年)や『LOVE YOURSELF』(2018年)のようなアルバムもまたリリースしてほしいです。グラミーは世界中の人に彼らの音楽と、そこで伝えたいメッセージが広まるきっかけのひとつになればいいなと思います」(Bさん)