3月2日、福岡県篠栗町で発覚した事件は知れば知るほど恐ろしい。昨年4月に5才の男の子・翔士郎ちゃんに充分な食事を与えず餓死させた疑いで、母親の碇利恵容疑者(39才)と知人の赤堀恵美子容疑者(48才)が保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕された。
赤堀容疑者は共通のママ友を《暴力団とつながりのあるボス》に仕立て、自らの後ろ盾としながら碇容疑者を巧みに支配した。夫が不倫していると嘘を吹き込んで離婚させ、孤立した碇容疑者の理解者になりすました上、生活保護費などで得た金銭を要求。総額は1000万円超とみられている。
さらに支配を強固にするため、食事制限と称した虐待が、3人の子供を持つ碇容疑者一家に行われた。1つのパックに詰められた総菜を数日に分けて4人で少しずつ食べることを強制し、逆らえば罵声を浴びせた。末っ子の翔士郎ちゃんは水すら自由に飲めないことも。翔士郎ちゃんの死亡時の体重は5才の平均の約半分である10kgだった。
赤堀容疑者のターゲットは碇容疑者一家に留まらない。2001年、赤堀容疑者と結婚した元夫・Aさんもその1人。
「当時、彼女が周囲にした借金は総額1000万円にはなると思う。結局、ぼくだけでは返済が追いつかず、父と弟にも助けてもらいました」
借金返済に苦しむ夫家族をよそに、赤堀容疑者は働こうともせず、パチンコをしたり家でゴロゴロするだけ。挙げ句、Aさんが仕事に行っている間に「ちょっと出かけてきます」と言ったまま蒸発した。“利己主義”を地で行く赤堀容疑者は血縁以外には、これほどまで非情になれた。
しかし、自分の血縁となると全く違う顔を見せる。赤堀容疑者はAさんとの離婚後、別の男性と再婚。1男2女に恵まれた。「特にいちばん下の娘をかわいがっていましたね。スリムでおめめがクリクリでね」と赤堀容疑者のママ友が言う。
「家族5人でお買い物をしていて、ひとり遅れてついて来る末の娘さんに赤堀さんが『ほら、いくよ~』と甘い声をかけると、娘さんが笑顔をキラキラさせて『は~い』とついていく。休みの日には、家の前でお父様も一緒に自転車で遊んでいましたよ。本当に仲睦まじい様子でした」
多忙でも、末娘のイベントには必ず駆けつけた。
「お遊戯会や綱引き大会には必ず出席して、ずっとカメラで娘さんを追っていました。晴れ舞台の卒園式では小綺麗なお洋服を着せてあげてね。娘さんも晴れやかな気持ちだったでしょう」(前出・ママ友)
どこにでもいる心優しい母親のように見えるが、3月2日、赤堀容疑者の逮捕によって、虚飾に満ちた赤堀家の生活は暗転する。
「実はこの日は赤堀容疑者の誕生日でした。子供たちは母を祝う予定だったでしょう。しかし、赤堀容疑者は自らの行いで、築き上げた家族像を壊したのです」(全国紙記者)