韓国でも観客動員数が100万人を突破するヒットとなった日本のアニメ映画『鬼滅の刃』。日本国内の観客動員数は2800万人を超え、歴代1位の興行収入となった代表作だけに、隣国での好評は喜ばしい。
だが、思わぬところから“火の手”があがった。主人公・炭治郎が着ける耳飾りが「旭日旗を連想させる」として、韓国の市民団体が抗議の声を上げたのだ。
韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏が語る。
「市民団体の抗議により、すでに韓国版映画のデザインは変更されています。しかし、市民団体はそれに留まらず、アニメを全世界に配信する米・ネットフリックスに『耳飾りだけでなく、戦犯国である日本の歴史をしっかりと説明』することを求めました」
過去にも韓国では、日本の人気漫画『ワンピース』の原作に旭日旗を思わせるイメージがあるとして同作の作品展が中止になったり、ハンバーガーチェーン「バーガーキング」の包装紙がこれまた旭日旗を連想させるとして、販売中止に追い込まれたことがある。
そうしたなか韓国では、日韓の歴史をテーマにした「反日玩具」が続々登場している。
その一例が釜山に本社を置く1961年創業の玩具メーカー「オックスフォード」が昨年4月に発売したブロック玩具「独立軍ハルビン義挙」だ。
「1909年10月26日、中国黒竜江省のハルビン駅で、初代韓国統監の伊藤博文が民族主義者の安重根に暗殺された事件をブロックフィギュア化した玩具です。韓国では歴史的英雄である安の逝去110周年を称えるために昨年販売されました」(平井氏)
セット内容は「レゴ」のようなブロックを用いて組み立てる蒸気機関車と5体のフィギュア(人形)一式で、定価は4万5000ウォン(約4300円)。
フィギュアには、ピストルと手榴弾で武装した「独立闘士」と、銃撃を受け苦悶の表情を浮かべる洋装の白髭の男性「ひろぶみ」が含まれている。実名使用を避けているとはいえ、ハルビンでの暗殺シーンが再現されているのは明らかだろう(別掲写真)。