15日時点でドイツ・フランスなど15か国以上がアストラゼネカ製の接種を一時中断した。日本では先行してファイザー製のみが接種されているが、5月以降にモデルナ製とアストラゼネカ製の接種も始まる予定だ。
「ファイザー製やモデルナ製はRNAという遺伝子物質を使う『mRNAワクチン』ですが、アストラゼネカ製は弱毒化したチンパンジーの風邪ウイルスに、新型コロナウイルスの遺伝情報を組み込んで作ります。副反応についての影響はまだ分かりません」(奥野医師)
ドイツではアストラゼネカ製の約160万回の接種後、血栓の可能性がある例が7例報告された。アストラゼネカによると、3月8日までに世界で1700万人以上が接種を受け、深部静脈血栓症の事例が15例、肺塞栓症が22例あった。
「1000万人以上で約30例程度であれば、リスクの無い人が血栓症を発症する確率が10万人で1~5人と言われていますから自然に血栓症を起こす頻度より少ないといえる」(二木医師)
日々更新されるデータは判断材料になるはずだ。
※週刊ポスト2021年4月2日号