2016年の『R-1ぐらんぷり』(カンテレ・フジテレビ系)を制し、今年の『R-1グランプリ』では審査員も務めたハリウッドザコシショウ。彼が「誇張モノマネ」などの“独特すぎる”ネタに至った経緯を、ノンフィクションライターの中村計氏が聞いた。
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前の事務所に所属しているとき、原色の衣装を着ろってよく言われました。赤とか、青とか。そっちの方が売れるよ、と。でも、僕の中では違った。かわいい感じになっちゃうんですよ。僕の笑いは、人を嫌な気持ちにさせる笑い。「なんだこれ!?」みたいな衝撃を与えて、トラウマになるような笑いが理想なんです。
僕は2013年ぐらいからモノマネを始めたのですが、そのとき黒いテンガロンハットと、白ブリーフという衣装にしました。昔、タモリさんが白ブリーフでイグアナのモノマネをやっていて。バカバカしいけど、やっぱり白ブリーフだな、と。
ただ、ある賞レースで、めちゃめちゃウケたのに負けたことがあって。その原因がどうやら白ブリーフにあったらしいんです。いやらしい感じに見えてしまったようで。そこから、今度は、プロレスが好きだったので、レスラー風の黒いパンツに変えたんです。
僕の持ちネタの1つ「誇張モノマネ」は10%くらいしか似ていないところが味噌。一発ギャグみたいなネタなんですけど、これから一発ギャグをやりますと言って同じことをしたら誰もついてこられない。無茶苦茶やってるだけになる。AKBの〇〇をやりますと言うと、お客さんはその人の像を想像してくれる。聞く態勢になってくれる。それが大事なんです。ただ、ほとんど似ていないから、なんやそれと笑っちゃう。
あと、お笑いは、ネタうんぬん以上に自信満々にやることが大事。ネタをやるのは怖いですからね。でないと負けてしまう。「おれがおもしろいと思ってるんやから、ええやんけ」ぐらいの強い気持ちがないと。
僕はピン芸人になる前、10年くらいコンビで活動していました。そのコンビを解散し、2016年の「R-1ぐらんぷり」で優勝するまで10数年かかった。