災害はいつ起きるかわからない。そのときに向けて、防災グッズを準備しているという人も多いだろう。しかし、備えすぎは逆効果になることもある。なんでもかんでも準備しておけばいいというわけではないのだ。だからこそ、「実際には役立たないもの」を見直しておくことで、非常事態に対する危機意識をさらに深めることができるはずだ。
そこで、被災者と専門家の意見を参考に「定番」とされながらも、実は役に立たなかった防災グッズをリストアップした。
●方位磁石、ロープ
市販の防災グッズセットでも定番だが、スマホがあれば方位磁石は不要。ロープは使いどころが少ないわりに重い。
●懐中電灯
夜間の避難時に逃げ道を遠くまで照らすため1つは常備しておきたいが、空間を明るく照らせるLEDで、充電式と乾電池式が併用できるランタンなどの方が避難生活では便利。空間を照らしてくれるランタンは精神的な不安を和らげる効果もある。
●菓子、ジュース
甘いものは一時的にストレスの緩和になるが、のどが渇き、虫歯リスクを高めるため、水が貴重な非常時には結局、あまり欲しくなくなる。
●乾パンなどの長期保存食
普段食べ慣れておらず、味が好みでないものは非常時も手が伸びづらい。「乾パンを食べることでみじめな気持ちになった」という意見も。
●新品のタオル
水を吸わない新品のタオルでは雨に濡れても拭くことができない。新しいものをわざわざ買うより、使い慣れたものを用意しておこう。
●大型の発電機
十数万円の家庭用発電機もあるが、使い方がわからず無駄になることも。また、水に濡れると使えなくなることが懸念される。
●手回し式のスマホ充電器
ラジオなどほかの機能は便利だが、スマホ充電には頼りない。被災後は不安と疲労で「何もしたくない」という声も。1分間に約180回、5分間回し続けても、連続通話は3分間程度しかスマホ充電は期待できない。