昨年3月29日に、新型コロナウイルスによる肺炎によって志村けんさん(享年70)が亡くなってから1年が経とうとしている。
「自分を見てくれる人を笑顔にするため、必死に努力をし続けていました。志村さんは自分がやりたいからではなく、待ってくれて喜んでくれる人のために一生懸命やろうという心を持った方でした。 あれから1年経ってようやく私は、志村さんのそんな素顔を、人に伝えたいと思えるようになりました。本当に真摯な方でした」
そう語るのは、彼の私生活を約15年間、人知れず見守ってきた家政婦の星野初弥(はつみ)さん(35才)だ。星野さんは、志村さんが亡くなるまで東京・三鷹市にある志村さんの自宅に出入りし、身の回りの世話や病院への付き添いを重ねてきた。
自宅では「テレビで見る彼とはまったくの別人」(星野さん・以下同)だったという志村さん。家でのほとんどの時間をテレビのある15畳ほどの書斎で過ごし、大好きな芋焼酎を手に、台本や仕事のスケジュールをじっと見つめていたという。
多くのバラエティー、コント番組で活躍し“笑いの頂点”を極めた志村さんだが、歳を重ねても新たな挑戦をし続けた。
「最新の流行を追い求めて、自宅でTikTokの研究をしていました。ガールズバーに通っていたのも、楽しく飲みながら若い子たちの感覚や、最新情報を学ぶためだったようです」
そんな志村さんが最後に取り組んだのが、山田洋次監督(89才)の映画『キネマの神様』への出演だった。