国内

羽生善治が語る将棋の美しさ「藤井二冠に憧れる若者の台頭が楽しみ」

九段

タイトル名付きで呼ばれることが多い羽生九段

 2020年度の将棋界は、記録4部門(対局数、勝数、勝率、連勝)のうち勝数と勝率の2部門を藤井聡太二冠(18)が制する結果となった(44勝、勝率0.846)。史上初めての4年連続勝率8割超え、そして羽生善治九段(50)以来2人目となる4年連続勝率1位という偉業である。

 その熱気冷めやらぬまま、3月27日からは将棋の早指し王を決定する番組『第4回ABEMAトーナメント』が幕を開けた。同番組でチームリーダーを務める羽生九段が、“藤井フィーバー”以降の将棋界について語った。(取材・文/輔老 心)

 * * *
“羽生九段”という呼び方に、世間はようやく慣れてきた。

 これまで99度にわたりタイトルを戴冠してきた羽生善治は、羽生名人、羽生竜王など、ずっとタイトル名付きで呼ばれてきた。あまりに強すぎて、一時は「羽生と一度も対戦せずに引退する棋士が何十人といる」と言われたほどだ。挑戦者になる以外、対戦できない。常に戴冠しているので予選には出てこない──。

 藤井聡太二冠(王位・棋聖)の登場でブームに湧く昨今の将棋界。藤井フィーバー以前に一般マスコミを巻き込んで起こった将棋の“ビッグブーム”は、羽生九段が「七冠同時制覇」を果たしたときだった。

 その張本人は、現代の若い棋士の勢いをどう感じているのだろう。羽生は藤井聡太二冠と、永瀬拓矢王座の将棋の魅力をこう語る。

「藤井二冠の将棋は、恐ろしくシャープ。切れ味が鋭いところが魅力です。永瀬王座はかなりのオールラウンダーでどんな将棋でも指せる。あとは非常に腰が重くて負けづらい将棋ですね。お二方とも、簡単には土俵を割らない強さがあります。あっさり負けることがないのが、第一戦で活躍している強さかなと思います」

 中学3年生でプロ棋士としてデビューし、10代も、20代も、30代も、40代も、ずっとトップで戦ってきた羽生。彼が指してきた将棋が、将棋の最先端を作ってきたことは間違いない。その偉業で2018年には国民栄誉賞も受賞した。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン